㈱ZMPは9月28日、カート牽引で病院内搬送を支援するロボット「DeliRo Care(デリロケア)」の受注を開始すると発表した。
総務省の統計では、2022年の65歳以上の人口は前年に比べて約6万人増加し、総人口の29.1%を占めており、高齢化が進むにつれて病院での看護需要が増える見通し。それに対して看護師の人手不足が深刻な課題となっている。医療の2024年問題(2019年4月に「働き方改革関連法」に基づき、2024年4月までに医師や看護師など医療業界の労働環境や働き方の見直しが必要)も差し迫っており、病院DXは不可避な状況としている。
※出典:総務省統計局(統計トピックNo.132)
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1321.html
ZMPでは2022年7月のZMP World 2022で病院内搬送ロボットのコンセプト機体を発表後、多数の病院および医療関係事業者に意見をもらいながら量産機の開発を進めてきた。デリロケアの発売は2024年3月を予定しており同日より受注を開始している。
デリロケアはすでに公道で地球半周分の走行実績を持つ歩行速ロボットの自動運転AIと、300社以上の工場・倉庫に導入されている「CarriRo(キャリロ)」のパワフルさを兼ね備える、公共空間でのカート搬送に適した自動搬送ロボットとなる。
車体後方に配膳カートや注射カートを連結できるようになっており、病院内各所から病室やスタッフステーションにカートを自動搬送することができる。牽引するカートの種類や積載物を変えることで食事や薬剤の他にあらゆる病院内の物流に対応することが可能。配膳やリネン回収等、負担が大きい搬送業務をロボットが担うことで医療従事者の負担軽減に貢献し、医療従事者が医療業務に集中できる環境構築を実現する。
●デリロケア
https://www.zmp.co.jp/ja/products/lrb/deliro/deliro-care
●製品仕様
速度:~3km/h
登坂能力:~4°
必要通路幅:1.5m
牽引力:300kg
充電/稼働:1h充電/4h稼働(走行環境により変化)
※製品仕様、デザインは変更となる場合あり
●製品価格
800万円(税別)を予定している。