㈱NX総合研究所(NX総研)は8月23日、同社が提供する、フォークリフトへの搭乗・積載・位置(動線)の状態を可視化し、適正なフォークリフト台数の推計や自動化の可能性を検証するサービス「ろじたんフォーク」と、Guide Robotics㈱のVisual SLAMを活用した屋内測位技術による非GPS環境下での可視化ソリューションを組み合わせた新しいサービスを開始したと発表した。

これにより、±20㎝という、これまでと比較すると圧倒的な精度でフォークリフトの動線や作業状況の把握ができ、例えば、1ピッキング当たりの動線長等の新たな指標が取得できるようになり、倉庫内のレイアウト変更による改善効果を定量的に把握することが可能となる。

●新サービス概要
NX総研の既存技術「ろじたんフォーク」は、フォークリフトへの搭乗・積載・位置(動線)の状態を可視化し、適正なフォークリフト台数を推計し、レポーティングを行うサービス。今回Guide Roboticsによる開発で提供開始した新サービスは、これまでデータの計測に使用していた数多くの位置ビーコンは不要となり、位置補正のためのマーカーやフォークリフトに取り付けるエッジデバイス(ステレオカメラ+ミニPC)等、簡易な装置のみで高精度な測定を可能にする(図1)。

マーカー(マーカーサイズ:28.3×28.3cm)
エッジデバイス

また、これまで1人ひとりが携帯していたスマホが不要になったことで、アプリの起動、データ送信、充電等の手間が一切かからなくなる。なお、エッジデバイスはフォークリフトからのバッテリ供給で稼働するため、長期にわたってリアルタイムに稼働状況を把握し続けることも可能。

新サービスは、フォークリフトの搭乗・積載・位置を把握し、適正台数を推計するという従来のサービスを踏襲しつつ、走行距離・平均速度の数値化、ヒートマップ、作業動線、タイムチャート、さらにエリア別の作業頻度等の情報を従来以上に高精度で把握できるようになり、工場/倉庫のDX化に貢献する。

従来プランと新プランの比較

●新サービスの流れ
新サービスでは、装置の設定、設置から、3週間程度のモニタリング期間、データのアウトプット、それを基にした現状分析や改善のプラン検討まで、最終報告を含め3か月程度で実施する。

●Guide Robotics㈱について
https://guiderobotics.com

Guide Robotics㈱は米スタンフォード研究所スピンオフ(SRI International)の屋内測位ソリューションを開発・提供する企業。15年以上の研究開発および実証実験により7件の特許とソースコードをライセンス契約しているVisual SLAMをベースにした屋内測位技術は、非GPS環境下で正確かつリアルタイムでフォークリフトや搬送ロボットの位置・動線情報を可視化、デジタル化することが可能。同技術を活用し、物流倉庫や工場での搬送作業における生産性向上問題を解決するサービスを提供する。