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日本通運、運行管理システムを刷新し新システムの運用を開始

2014/07/08

日本通運(株)は、7月1日から国内の運行管理システムと作業管理システムを統合した新システム「オペレーション支援システム」を導入し、作業の効率化を追求した新システムで管理運営を開始した。

同社は、2004年にデジタル式運行記録計を利用した運行管理システムを導入し、運行管理業務の適正化・効率化や作業費用のローコスト化を進めてきた。しかし、運行管理業務のみに使用し、労務管理や諸費用の支払いなどを行なうシステムとの互換性がなく、それぞれのシステムで管理を行なっていた。そのため、同じ情報を別々のシステムに入力しなければならないなどの重複作業が必要だった。

また、当時に比べIT技術の進歩により、作業状況などの情報も多様化しており、様々な作業に関わる情報を一括で管理できる環境の構築が課題となっていた。

そこで同社は、2011年6月からこれらの課題を解決し、作業計画の立案や実績管理、後方事務などの効率化・品質向上を図るため、オペレーション支援システムの開発を進めてきた。

同システムのハード面では、同社の所有する約1万台の車両に専用のスマートフォンを配備し、スマートフォンと連動するデジタル式運行記録計を搭載した。

スマートフォンのデータは、車両を管理する各拠点に自動的に送信されるため、GPSによる位置情報や集荷・配達時に発生する待ち時間もリアルタイムに把握できるようになった。この結果、待ち時間が一定時間を超える場合には、他の作業ルートへの変更が瞬時にできるなど、柔軟かつ効率的な作業管理ができるようになった。

搭載したスマートフォンは災害電話対応で、通信回線も3GとLTEの2回線を設備することによって、災害時などに一方の回線が使用不可能な場合にも指定公共機関として確実な対応ができる体制を整えた。

ソフト面では、IC付き運転免許証から必要な情報を抽出するシステムを導入し、始業点呼時の本人確認や安全指導が的確にできるなど運行管理業務の高度化を図った。

既存の勤務管理システムや他の社内システムとインターフェイスすることによって、労働時間管理や給与計算などの後方事務処理の省力化も実現した。

同システムを活用し、集配作業時間、運行時間、燃費などの作業関連情報を蓄積することにより、例えば、顧客が把握する必要のある運送に関わるCO2排出量のデータや物流コスト削減に向けた解析データなども詳細に提供することが可能となる。

さらには、運行データや積荷データなどを一元管理することで、日本国内全域の物流動向を把握し、物流拠点設置などの判断材料として活用することも見込んでいる。

同社は、オペレーション支援システムを同社だけでなく、同社グループ関係会社にも2014年度中を目処に順次導入を進めるとともに、同システムを海外でも運用できるように改良を続け、日本国内のみならず、グローバルに輸送状況を一元管理できる環境の構築を目指し、顧客サービスの向上に取り組んでいくとしている。

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