㈱竹中工務店、㈱日立製作所、㈱gluonは8月5日、3社共同で国土交通省が主導する「Project PLATEAU(プロジェクト プラトー※1)」の一環として、超高齢化や労働人口の減少を背景に期待される屋内外でのパーソナルモビリティ(PM※2)の自律走行を見据えた、デジタルツイン(※3)の構築および走行実証に関する本格的な取り組みを開始すると発表した。
今回の実証を通じ、都市・建物とパーソナルモビリティのリアルタイム連携や、リアル空間・バーチャル空間のシームレスな連携を実現し、例えば、長距離歩行に不安を感じる人への移動手段の提供等、実社会への普及・展開を目指す、としている。
※1:国土交通省が2020年度から開始した、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化のリーディングプロジェクト。3D都市モデルを整備し、そのユースケースを創出。さらにこれをオープンデータとして公開することで、誰もが自由に都市のデータを引き出し、活用できるようになることを目指す。
※2:自動車より小型で、手軽な移動手段となる1~2人乗り程度の車両。本実証では電動車いすを活用する予定。
※3:フィジカルな(物理)空間にあるモノや環境など様々な情報をIoT技術等で収集し、データをもとにサイバー(仮想)空間上で再現すること。今回はデジタルツインとしてコモングラウンド・リビングラボで開発したプラットフォーム「コモングラウンドプラットフォーム」を活用している。コモングラウンドプラットフォームとは、サイバー空間とフィジカル空間を融合するマルチモーダルな双方向連携のオープンプラットフォームで、現実世界から複製したデジタルツインのデータを、そのまま現実世界に反映させることを目指している
一般的にパーソナルモビリティの自律走行には、対象エリア内を事前に走行させて独自のマップ情報を作成する必要があり、範囲が広い屋外での自律走行実現の課題となっている。また、現状では一般的に、屋外自律走行の安全性確保のためにモビリティに装着せざるをえない多くのセンサを削減することも課題となっている。今回の実証では、事前走行なしでの屋内外を連続させたパーソナルモビリティの運用を目指し、Project PLATEAUで整備された3D都市モデルと3D建物モデル(BIM※4等のデータ)を統合したデジタルツインを構築しその実証を行う。
●実証参加3社の役割
竹中工務店:共同提案体の代表企業、3D都市モデルと3D建物モデルの統合業務、ガイドライン作成の統括等
日立製作所:デジタルツイン構築(※4)、パーソナルモビリティ走行の実証の統括等
gluon:3D都市モデルと3D建物モデルの統合業務、ガイドライン作成等
※4:日立製作所が研究開発しているジオメトリプラットフォームを活用。様々な種類や精度のデータが統合され、バーチャル空間上で高精度かつ動的物体をリアルタイム表示することが可能。
●実証実験協力企業
東京大学生産技術研究所豊田啓介研究室
Osaka Metro(大阪市高速電気軌道㈱)
●協力するCGLLメンバー企業・団体
中西金属工業㈱
大阪商工会議所
㈱三菱総合研究所
クモノスコーポレーション㈱