[最新ニュース] IT・マテハン

フューチャーアーキテクト、佐川急便のビッグデータ分析基盤を構築

2014/07/07

フューチャーアーキテクト(株)(本社:東京都品川区)は、SGシステム(株)(本社:京都市南区)と協力して、佐川急便(株)(本社:京都市南区)の「ビッグデータ分析基盤」と「実績分析システム」を構築し、2014年5月21日に稼働させたことを発表した。

この仕組みは、佐川急便が顧客サービス向上や経営改革を実現させるために、膨大な保存データを個人情報保護に最大限に配慮したうえで様々な切り口から分析し、ビジネスの構造を可視化する目的で構築された。年間で約12億個にのぼる荷物の配送過程では、発送、追跡、到着確認、計算、請求、精算などの膨大な情報が様々な形で蓄積され、1か月あたり数十億件のデータが管理されているが、一度配送が終了し料金精算が終了すると、あとは基本的に保存されていただけだった。これをより有効に活用するために今回構築したのが「ビッグデータ分析基盤」であり、その上に開発・搭載した経営分析システムが「実績分析システム」だ。

一日前後で到着する荷物のデータをスピーディに分析し、迅速かつ的確な経営判断を支援するシステムには、「大容量」「高速」はもちろん必須であり、以下のような難しい要件があった。
(1)大容量対応:50億件/月のトランザクション量に対応する72テラバイトの容量を装備
(2)高速処理:従来型データベースの約10倍のパフォーマンスでの高速処理を分散データベースにて実現
(3)拡張性:高速計算の処理性能の向上、データ容量増加への柔軟な対応
(4)費用対効果:専用ハードウェアを用いることなく、Linuxコモディティサーバを複数組み合わせた安価で高性能な基盤構成を実現

新システムの技術的な特徴は、高額なビッグデータ専用ハードウェアと同等なスペックの分析基盤を安価な市販のハードウェアのみを用いて構築したこと。これにより、初期投資はもちろん、拡張する際の費用も低く抑えられるだけでなく、ビッグデータの複雑な計算をベンダーに依存することなく行うことができる。

また、「データ分析基盤」の開発にあたっては、佐川急便社内の複数のシステムとの連携が必要だったが、同社は2005年8月に開始し2012年1月末に完遂した情報システム刷新プロジェクト「F-Cube」の経験を最大限に活かし、この難易度の高いビッグデータの分析基盤構築を短納期かつ低コストで成功させた。

同社は、SGホールディングスグループのIT戦略パートナーとして、今後もSGホールディングスグループがさらに成長を続けていくために、経営とITの両面から強固なサポートを継続していくとしている。

|↑一覧に戻る|