SGHグループでIT統括事業を担うSGシステム㈱は6月1日より、AIを活用したOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)プラットフォームサービス「Biz-AI×OCR」に、手書きの日本語を高精度に読み取れるAIモデルを搭載し、提供を開始した。これにより、顧客のバックヤード業務の効率化をAIで支援する。

同社は2019年に佐川急便の配送伝票のサイズ・重量入力業務を自動化するAI-OCR(AIを活用した数字等を読み取るOCR技術)をフューチャーアーキテクト㈱と共同開発し、入力業務にかかる作業時間を月間8,400時間短縮。また、配送伝票だけではなく、AI-OCRを活用し、グループの帳票入力業務を自動化するなど業務効率化に貢献してきた。

こうしたノウハウをもとにAIを活用したOCRプラットフォームサービス「Biz-AI×OCR」を開発し、2021年よりグループ外の顧客にも展開。今回新たに手書き日本語を読み取ることができるAIモデルをSGシステムとフューチャーアーキテクトで共同開発し、追加機能として搭載した。また、追加搭載した日本語AIモデルは佐川急便の手書き伝票の読み取りにも活用している。

●「Biz-AI×OCR」日本語AIモデルの特徴
(1)画像ノイズに強く、解像度の低い文字画像や枠線を含む文字も読み取り可能

(2)手書きのひらがな、カナ、英数字のほか地名、建物、社名、氏名等の漢字および様々な活字フォントにも対応

(3)自然言語処理を応用し、書き間違いや文字飛ばしによる住所の誤記載を自動補正

(4)AIによる手書き日本語入力業務の自動化率「91.40%」(※1)の読み取り精度は「99.49%」(※2)

様々なタイプの文字・印刷からの読み取り結果例

今回の手書き日本語AIモデルの追加により、幅広く様々な手書き日本語の帳票を、高い精度で読み取ることを可能にするほか、さらに高い自動化率や読み取り精度が必要な顧客や、特殊文字への対応が必要な顧客向けに「AI学習サービス」も提供している。

「AI学習サービス」では、顧客が特に効率化したい帳票入力業務や業務特性に合わせて、AIモデルの追加学習を行い、顧客独自のAIモデルでサービスを提供する。

目視では読み取りづらい手書き数字(これに基づき料金が決定される)も、今回のAIシステムでは正確に読み取ることができる。

※1:手書き住所欄1,000万件(2.5億文字)の読み取りにおいて、AIがヒトの補正不要と判断した結果を算出(AIが自信度高と判定した結果)

※2:※1中で、AIが手書き住所欄(平均25文字)をすべて正しく読み取った結果を算出