ヤマト運輸(株)は3月28日、EC荷物のさらなる受け取り利便性向上に向け、複数のデジタルキーを一括管理できるシステム 「マルチデジタルキープラットフォーム」を開発し、デジタルキーを提供する6社と連携する契約を締結した。

同日から「EAZY」を配達するドライバーの端末にオートロック付きマンションのエントランスをデジタルキーで解錠する機能を追加し、事前に指定した顧客への置き配を開始する。

開始時は東京都練馬区と豊島区 板橋区の一部のオートロック付きマンションを対象とし、順次エリアを拡大する。

同システムは、顧客の解除承認を前提としたワンタイムパスワードの活用でセキュリティを担保するため、安心して利用できる。

※ヤマト運輸の配送パートナーである「EAZY CREW」が配達する荷物が対象となる。

●対象企業および開始日
[デジタルキー提供企業/運用開始日(予定)]
▽(株)ライナフ/2022年3月28日(月)荷物受け取り分から
▽(株)ビットキー/2022年5月1日(日)荷物受け取り分から/2022年8月1日(月)荷物受け取り分から※パナソニック(株)のインターホンデバイスと連動
▽(株)MIWA Akerun Technologies/2022年度中(秋~冬頃)
▽(株)PacPort/2022年9月1日(木)荷物受け取り分から※アイホン(株)のインターホンデバイスと連動
▽Connected Design(株)/2022年7月1日(金)荷物受け取り分から
▽(株)ファミリーネットジャパン/2022年度中
<順次対象企業は拡大予定>

●「マルチデジタルキープラットフォーム」について
「マルチデジタルキープラットフォーム」は、複数の異なるデジタルキーを1つのシステム上で同時に管理することができ、オートロック解錠用デバイスの設置情報と、EC注文時の配達先の住所情報をマッチングし、対象のデジタルキー会社にエントランスのオートロック解錠申請を行う。配達情報ごとにオートロック解錠に必要なワンタイムパスワードが発行されるため、高いセキュリティを実現している。また、デジタルキー会社は、「マルチデジタルキープラットフォーム」とAPI(※1)連携をするだけで導入可能。今回はクラウド環境下でCI/CD(※2)を実践することで、開発スピードを落とさず高品質なシステム開発を実現した。
※1:アプリケーション プログラミング インターフェース Application Programming Interface)」の略称
※2:ソフトウェア開発を高度化するために、ビルドやインテグレート、テスト等を自動化し、すぐに本番環境にリリース可能な状態にする手法

「マルチデジタルキープラットフォーム」概要図

●オートロック付きマンションへの置き配について

オートロックの解錠から置き配までの流れイメージ

①荷物が発送された当日に、ヤマト運輸より荷物の配達予定を顧客宛にEメールやLINE等で通知する。顧客は通知内に記載されているリンクから受け取り日時・場所を変更するページにアクセスして、置き配(※1)をする場所(玄関ドア前、自宅宅配ボックス、ガスメーターボックス、自転車かご)を選択し、オートロック解錠の同意をする(※2)。
※1:一部のオンラインショップでは、注文時でも受け取り方法を置き配に設定することができるが、オートロック解錠をするためには配達予定の通知から置き配の設定と同意が必要となる。
※2:オートロック解錠対象物件に居住する顧客のみ、同意に関する項目が表示される。

②対象マンションに到着したEAZY CREWがオートロック解錠専用のアプリで配達荷物のバーコードをスキャンすると、解錠の正当性が確認される(「荷物の配送ステータス」や「ドライバーの情報」等)。

③正当性の確認完了後、アプリ内のオートロック解錠ボタンが有効化され、解錠ボタンを押下することでマンションエントランスのオートロックを解錠する(解錠は1回の配達で1回のみ)。

④顧客が指定した場所に荷物を置き配し、撮像する。撮像データを確認できるURLが顧客の登録したメールアドレスに配信される。
※本機能は、エントランスが一つのマンションのみが対象となる。