ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパン㈱は3月7日、2022年のテクノロジー展望を発表した。

自動化の採用によって、企業は様々な種類の職場環境を創出し、人々はより充実した、キャリアアップにつながる業務を担うことになるとみられる。

コボット(協働ロボット)、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)、マイクロ・フルフィルメントセンター(小規模物流拠点)は今後5年間で爆発的に成長し、デジタル情報システムやモバイルテクノロジーと並び業務の根幹をなすものになる見通し。

ロボットを導入し、労働力の増強を検討しない企業は、成長を阻害されるリスクに直面すると言える。ロボットは製造業者の既存のオペレーションや環境に適合するように作られており、企業は場合によっては1~2日で最新のロボティクス自動化ソリューションの柔軟性と拡張性を活用することが可能。実現には製造業やロボティクスに強い専門知識を持つソリューションプロバイダー等、信頼できる専門家からのアドバイスが必要不可欠といえる。

もう1つの重要なカギは産業オートメーション。マシンビジョンおよび固定式の産業用スキャン、RFID、リアルタイム位置情報システムは、2022年に再び注目を浴びる可能性がある。クラウド連携のRFID API、ハンドヘルド型RFIDスレッドや読み取り機、手頃な価格のRFIDタグやラベルの導入によって、あらゆる規模の企業がRFIDを活用して業務の可視性、在庫管理、プロセスの実行をたやすく改善できるようになる。小売業者、接客サービス業者、流通業者、さらには病院管理者までが、リアルタイムで正確に資産を追跡するためのより良い方法を必要としており、その追跡への圧力はますますサプライチェーンの上流へと向かっている。RFIDは在庫や資産の状況を即座に確認でき、在庫管理、セキュリティ、労働戦略にまで影響を与える棚卸しをスムーズに実行できるため、受注処理および損失防止に関する利点はRFID導入の大きな推進力となる見込み。また、グローバルなサプライチェーンの圧縮により、追跡・特定やマシンビジョン検査への需要がさらに高まっている。

意思決定の自動化はマシンビジョン、コンピュータビジョン、AI/機械学習、プレディクティブ(予測的)/プリスクリプティブ(処方的)アナリティクス(※)、分野によっては位置情報技術の副産物であるといえる。これによって、入手できる限られた情報に基づき適切な判断を下すという労働者の負担が解消される。小売業や倉庫業など事業分野を問わず、業界幹部は意思決定プロセスをサポートし、さらには自動化するべく、ワークフローにさらに高い基準のインテリジェンスを追加する意向を示している。

※プレディクティブ(予測的)アナリティクス/プリスクリプティブ(処方的)アナリティクス:データを基に起こり得る可能性を予測、また次に採るべき最適なアクションを導き出す分析手法

データのデジタル化が成熟し、労働力の物理的な分散が進行するに伴い、ワークフローの自動化が2022年の優先課題となり、より自律的、スピーディーかつ効率的な作業が求められている。そのため、タスクを特定して割り当て、ステータスを追跡し、締切が迫っている場合は迅速に対応することができるインテリジェントなSaaSソリューションへの取り組みが強化される見通し。最も優れたワークフローの自動化ソリューションとは非常に分かりやすく、新入社員であってもモバイルコンピュータを手にするだけで、ほぼ全ての現場業務について初日から十分な生産性を発揮できるようになる見通し。

アナリティクスの自動化により、データサイエンティストによる手動での情報分解が不要になる。インテリジェント、かつ自動化されたプレディクティブ/プリスクリプティブ・アナリティクスのプラットフォームがビジネスシステムに組み込まれることで、すべてのスタッフが市場、需要、在庫、パフォーマンスの傾向を容易に確認し、理解することができる。