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IDS、イントラロジ用自動フォトポータルを開発

2021/07/21

ドイツ産業用カメラメーカーのIDS Imaging Development Systems GmbHは、同社のソリューションパートナーであるPose Automation GmbHと開発した内部トレーサビリティ向けシステムが、Schnellecke Logisitcsにイントラロジスティクス用途で採用された事例を発表した。

Schnelleckeのディンゴルフィン (ドイツ) 拠点では、Pose Automation GmbH (クレーヴェ) が開発したスケーラブルな品質保証ソリューションにより、受け入れ時または引き渡し時の商品検査に、写真による総合的な文書化を実施している。

物流ホールで使用されるP.Portalは商品の状態を分析して文書化し、IDS製の光感度の高いUSB3Vision産業用カメラを使用。Schnelleckeでは、P.Portalを使用して部品を収容したコンテナを検査している。文書化および苦情発生時の証明として使用するため、中身を詰めたコンテナの写真を撮影する。従来は従業員がデジタルカメラでこのプロセスを手動で行っていたが、現在はuEye CPファミリーの4台のカメラが該当するコンテナの写真を撮影している。トリガーセンサを利用すると、この処理を精度を維持しながら全自動で繰り返し実行できる。画像データはPCベースのマルチカメラシステムに表示され、同時に保存される。カメラはブリッジ状の構造に取り付けられ、この下を文書化するコンテナが通過。距離センサによってトリガーされると、これらのコンテナは通過時に4方向(前面/背面/左側/右側)から自動的に写真が撮影される。

基本的にカメラの位置は自由に選択可能で、この場合はポータルの左右にある。2本の横方向のエクステンションでポータルを伸長すると、同時にすべての写真を撮影できる。オプションのSmart Lightモジュールを使用すると、画像撮影プロセスでインテリジェントな照明制御が実現し、電力コストの削減に貢献する。

一方、Pose Automationにとって、システムに搭載するカメラの重要な選択基準は解像度、速度、光感度だった。今回の標準化されたアプリケーションでは、モデルU3-3890CPが使用されており、このUSB3ビジョンカメラはSchnelleckeに内蔵され、露出時間が非常に短くても完全な結果が要求されるタスク向けに設計されている。Sony STARVISシリーズの高解像度12.00MPセンサを搭載している。同センサには BSI(バックサイドイルミネーション)技術が搭載されているため、卓越した光感度と低ノイズを発揮。uEye+カメラは広範なピクセル前処理にも対応し、120MBの内部画像メモリを画像シーケンスのバッファリングに利用できるので、P.Portal等のマルチカメラシステムに最適。Pose Automationが開発したソフトウェアを利用して、画像はクライアントのシステムに日付と時刻付きでリアルタイムに保存される。

製品の品質はいつでもどこでも適切でなければならないが、スケーラブルな品質保証ソリューションP.Portalは、受け入れ時または引き渡し時の商品検査や継続的な生産時においても、商品や製品の状態を分析して文書化する。イントラロジスティクスプロセスには、画像処理を活用してオートメーション化を図る可能性が随所にある。適切なソリューションを利用することで、どの業界の企業でも、プロセスをさらに開発して各社の業績を改善するチャンスがある。

●Schnellecke Groupについて
グローバルに展開するファミリー企業で、様々な物流サービスを提供している。物流、輸送、生産という3つの部門を柱に、Schnelleckeは世界中の企業にサプライチェーンの基本的部分を支えている。同社は輸送およびウェアハウジング、組立済み部品および付加価値サービス、個々の部品およびモジュールの連続生産、コンテナ対応パッケージ等、多様なコンセプトを対象に開発している。

●Pose Automation GmbHについて
産業環境向けの高性能測定および試験システムを開発している。

●IDS Imaging Development Systems GmbH について
高性能で使いやすいUSB、GigEおよび3Dカメラを開発し、多彩なセンサとモデルを取り揃えている。その応用範囲は無限といっても過言ではなく、研究開発分野でも装置や工場設備等機械工学をはじめとする産業分野でも様々な活躍をしている。定評のあるCMOSセンサカメラに加えて、IDSではビジョンアプリベースのセンサとカメラも製品ラインナップとして展開している。なかでも斬新な画像処理プラットフォームIDS NXTは、自由にプログラミングでき、汎用性に優れている。1997年に社員2人の会社を創立して以来、同社は社員330名以上の独立したISO認定ファミリー企業へとグローバルな発展を遂げた。本社はドイツ・オーバーズルム(バーデン=ヴュルテンベルク)にあり、開発と生産を一貫して担っている。また、アメリカ、日本、韓国、イギリスの支社およびヨーロッパ諸国のオフィスによって国際的なプレゼンスを確立している。

●カメラ位置を自由に選択できるフォトポータル(上)、IDSのUSB3 Vision産業用カメラは移動速度が高速でも通過するコンテナを確実に検出する(下)

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