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パナソニック、自営モバイルネットワークを提供開始

2021/05/26

パナソニック システムソリューションズ ジャパン(株)は5月26日、2021年2月17日に発表済みの新事業「現場マルチネットワークサービス(※1)」における無線ネットワークの新たなラインアップとして、プライベートLTE方式のsXGPシステムを6月下旬より提供開始すると発表した。

また、複数のPLMN-ID(携帯電話の国際的な識別番号)を認証するLTEコア(ローカルコア)も提供し、sXGPと自営等BWAを同じLTEコアで統合管理することで、それぞれのシステムに共通のSIM(※2)での認証を可能にする。

現状の顧客の現場では、既設のWi-Fi等と連携しつつ、LTE/5Gといった新たなネットワークを構築、導入したいという要望がある。同社の「現場マルチネットワークサービス」は、このような複数のネットワークを統合的に管理・運用するマルチアクセス技術を開発しており、環境・用途に合わせて複数のネットワーク設備間で音声やデータのやり取りを可能にする。

今回提供を開始するsXGPシステムは免許不要の1.9 GHz帯の周波数を利用するLTE方式で、主に音声通話中心の構内PHSからの置換えや、ネットワークシステムの高度化、統合管理を目指す企業、また倉庫や工場で、複雑な配線やアンテナの設置に制約があり導入を断念せざるを得なかった企業を中心に、セキュアで出力の高い自営モバイルネットワークの構築を実現。さらに提供しているLTEコアにより、sXGPと自営等BWAを統合的に管理することで、接続する基地局がsXGPと自営等BWAとの間で切り替わっても通話や通信が継続でき、スマートフォン等の端末を使って屋外や屋内を行き来しながら作業を行う顧客の利便性を向上できる。

同社はsXGPシステムをはじめ現場のニーズに合わせた最適なネットワークを提供することで、ミッションクリティカルな現場でのDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートする。

※1:「現場マルチネットワークサービス」プレスリリース
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/02/jn210217-3/jn210217-3.html

※2:加入者を特定するためのID番号が記録されたICカード。特定の通信事業者が発行したSIM以外を受け付けないように端末側にプログラムを仕込む。

●主な特長
(1)基地局1台で最大32台の端末を同時接続可能、自由度の高いエリア設計を実現
基地局1台で最大32台同時接続を可能とすることで、多数の端末が配備される環境下でも少数の基地局でカバーできるようになる。これにより、複雑な配線などが不要となり、自由度の高いエリア設計を実現できる。また、少数の基地局でも従業員各自のスマートフォンがネットワークに繋がることで、業務リソースのリモート活用等が可能となり、現場のDXを更に加速することができる。

(2)オンプレミス型のシステムにより、災害時や通信の混雑に強いネットワーク環境を実現
通信経路を制御するローカルコアを閉域網内に配置するオンプレミス型のシステム構成を採用し、外部回線の影響を低減することで、災害時でもローカルコア内の接続を確保、通信の輻輳(混雑)が発生するリスクを低減する。また、閉域内での通話は従量課金無く利用することが可能。

(3)秘匿性の高いLTE方式のSIM認証を採用、携帯キャリア同等の高セキュリティ性を担保
ローカルコア側でのSIMカードによる(番号)認証と暗号化技術、およびオンプレミス型でのシステム構成により、携帯キャリア同等のセキュリティ性の高い通信を担保する。また、SIMの番号単位でグループ振り分けが可能なため、閉域網内で柔軟にグルーピングができ、グループ毎の接続制限を行うことで、さらに高いセキュリティ運用を実現する。

●パナソニックのマルチアクセス技術について
同社は複数のネットワークを統合的に管理・運用する技術として、5Gコアによるマルチアクセス技術を開発しており、その第1段階として複数のPLMN-ID(携帯電話の国際的な識別番号)を認証するLTEコア(ローカルコア)を提供している。共通のLTEコアでsXGPと自営等BWA、それぞれのシステムに共通のSIMで認証することができるため、これらのネットワークの統合的な管理が可能となる。これにより、例えば屋外等の広域エリア(自営等BWA)から、屋内エリア(sXGP)への移動時においても安定した通信・通話が可能になる。

●現場マルチネットワークサービスサイト
https://biz.panasonic.com/jp-ja/gemba-multinetwork-service

●sXGPシステムの様々なアプリケーションを使った倉庫や工場での利用イメージ(上)、sXGPシステムのシステム構成イメージ(中)、マルチアクセス技術の用途に応じた最適ネットワークを提供するイメージ図(下)

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