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NKC、ブロックチェーン配送管理システム提供開始

2021/03/03

中西金属工業(株)(NKC)は3月2日、同社のコンベヤ・物流・MHシステム等倉庫自動化サービスを提供する輸送機事業部を中心に、ブロックチェーン技術を活用した物流倉庫向け配送システム「Hacologi」を開発したと発表した。

2020年10月から実用化検証のため同事業部の滋賀工場(滋賀県湖南市)で実証実験を実施し、2021年4月から正式にサービス提供を開始する。

物流業界でも昨今の新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によりデジタル化の波は加速する一方、実際の物流現場では紙の伝票のやりとりや配送物の受け渡し時のサイン等、アナログなオペレーションが多く見受けられている。「発注」から「納品」に至るフローでは、「注文」「生産/製造」「保管」「手配」「出荷」「配送」「納品(受け取り)」等の様々なステップが踏まれ、1つ1つ関わる業者が違うことから個別の煩雑な業務に追われている現状がある。

そこでNKCはブロックチェーンを活用し、「手配」~「納品(受け取り)」をデジタル管理することで、配達中の責任の所在を信頼性の高い情報として保持しつつ、手入力のミスの軽減し、不正配送の撲滅、煩雑な伝票管理の軽減を目指す。

今回の実証実験では、同事業部の滋賀工場と取引のある運送会社も参画し、自社だけではなく会社をまたぐデータ管理を検証した。

●ソリューション
従来はアナログな伝票管理のため、荷物状況のステータス確認が困難で、荷受/納品責任範囲が曖昧となっていたほか、人手による伝票の記入ミス、請求時の車両と荷物の突合にも時間がかかり、課題となっていた。こうした課題を解決するために物流現場にブロックチェーンを導入することで、スマートコントラクトで荷物の受け渡し時に契約の成立・責任の所在を明確にし、各プレイヤーによる現在のステータス確認も容易に行えるようになる。煩雑な伝票も廃止し、荷物の受け渡しもスマートフォンを活用し、デジタルデータとして保存していく。
 
●「Hacologi」4つのポイント
(1)配送に関わる会社と同じデータを共有
 自社内のみのデータ管理ではなく、配送に関わる顧客、製造元、配送業者の3社を繋ぐ。コンセンサスアルゴリズムにより、正しい配送物のステータスを必要な時に必要な担当者が状況を閲覧できるようになる。

(2)配送物に関する責任の所在を明確化
 紛失等、万が一の事故発生時に備え、スマートコントラクトにより、荷物の受け渡し時には契約が成立し、責任の所在が明確化される。

(3)煩雑な伝票管理を排除しコスト削減
 突合に時間がかかっていた、送り状、見積/請求等をデータ管理することで、簡単に検索が可能。また、関係する会社で合意の取れたデータを保管するため、社内だけでなく取引先ともスムーズなコミュニケーションを行える。

(4)人的ミスを軽減
 電話での言った言わない、FAXの不達を無くし、正しいデータを保存する。数字の変更に関しても変更履歴はデータとして保管されるため、いつ誰が修正したかを明確にする。
 
●「Hacologi」の利用シーン
積み替えがなく、直送が中心の鉄鋼業や木材製品製造業等をはじめ、拠点間の配送が多い食料品製造業やアパレル業等でも活用可能

●「Hacologi」
https://service.hacologi.com/

●「Hacologi」の利用シーン(上)と料金イメージ(下)

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