[最新ニュース] IT・マテハン

ゼブラ、2021年テクノロジートレンド予測を発表

2020/12/22

ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーションは、2021年に企業による導入が進むことが見込まれるテクノロジーのトレンド予測を発表した。

2021年に企業が注力すべきテクノロジーとしてはコンピュータビジョン/マシンビジョン、人工知能(AI)およびロボティクスを含むインテリジェントオートメーション(IA)(※1)、小売/倉庫の自動化、データアナリティクス/プリスクリプティブ(処方的)アナリティクス(※2)が挙げられる。企業は“ニューノーマル”を乗り切るべく、これらの新しいテクノロジーのソリューションを統合することが重要。新型コロナウイルスは2021年も様々な業界に影響を及ぼす見通しの一方で、同ウイルスがeコマース、自動化、サプライチェーンの最適化等、すでにトレンドとなっていたテクノロジーの採用を加速させる引き金にもなったことも事実。オペレーションと収益性を維持するために新しいテクノロジーのソリューションを統合し、継続的なピーク需要およびサプライチェーンの混乱に対処できるようワークフローを最適化することは、ビジネスの成功に欠かせないものとなると見ている。

企業は機械学習やプリスクリプティブ・アナリスティクスのソリューションと連携したロボティクスやAIなど、IAへの投資を強化している。特に現場の作業員に知見を提供することでリアルタイムでの行動を促したいと考える企業は、2021年はこれらのテクノロジーを優先的に導入する必要がある。

●2021年に企業が注力すべきテクノロジートレンド
(1)コンピュータビジョン/マシンビジョン
コンピュータビジョン、およびマシンビジョンのソリューションが発展したことで、企業は業界を問わず、物理的な環境をより正確に描写できるようになった。コンピュータビジョンシステムはより幅広く、大胆な方法で世界を視覚的に解釈、理解するためのソリューションを提供。例えば、在庫の“見える化”向上や、売り場における精算の合理化等の点では、人間の能力に匹敵する認識能力を誇る。コンピュータビジョンの一部であるマシンビジョンは、視覚技術を活用することで検査分析と異常検出に特化。コンピュータビジョンとマシンビジョンは情報を収集、処理、解釈し、行動を指示する機能を備えており、通常であれば手間のかかる作業を伴う問題を解決に導く。

(2)AI およびロボティクスを含むIA
IAはAlexaやSiriといったコンシューマー向けのバーチャルアシスタントによって促進されている。企業はこのタイプの機械学習テクノロジーを応用することでワークフロー、配送、顧客体験の改善に着手。AIは企業の能力を向上させ、最適な次のアクションを提示する。さらにAIとロボティクスはIoTおよびインダストリー4.0のトレンドの一環として、IAを推進。2021年は製造、物流業界で AI の活用が増加する見通し。

(3)小売/倉庫の自動化
2020年はオンラインショッピングへの移行が拡大し、eコマースの成長を後押しした。eコマースは2020年に転換期を迎え、現時点で世界中の小売チェーンにおいて売上高の28%を占めている。これに伴いオンラインコマースへの移行はおよそ3年前倒しされることとなり、小売業界はeコマースのフルフィルメント(※3)遂行に関連した収益性の課題に直面。同業界は実店舗、フルフィルメントセンター、物流において速やかにワークフローの合理化に対応することを強いられているのが現状。倉庫管理やサプライチェーンに関しては物理的な自動化、RFID、温度検知テクノロジーが人間と相互作用し協働するコボット(cobot)(※4)を含むロボティクスの成長と組み合わされることで、フルフィルメントセンターのeコマース業務改善を実現すると見ている。

(4)データアナリティクス/プリスクリプティブ・アナリティクス
可視性の向上とインテリジェントプランニングのニーズはますます重要になっている。データはかけがえのない資産であり、より良い結果を出すために適切なタイミングで適切な人物が用いる際に初めて威力を発揮。ほぼリアルタイムで取り込んだデータにプリスクリプティブ・アナリティクスのソリューションを適用することで、パフォーマンスが向上し、より安定した対応を取ることが可能となる。アナリティクスを導入している企業は多くの場合、過去のデータを運用し最適化しているが、リアルタイムの行動と成果を推進する新たなストリーミングデータソース(※5)の導入や、予測モデルを投入するという課題もある。

※1:インテリジェントオートメーション
AI、機械学習などを組みあわせてビジネスプロセスを自動化し効率化する仕組み
※2:プリスクリプティブ(処方的)アナリティクス
データをもとに次に採るべき最適なアクションを導き出す分析手法
※3:フルフィルメント
EC(Electric Commerce)や通信販売における受注から配送までの一連のプロセス
※4:コボット
CollaborativeとRobotの合成語。工場や倉庫等の作業員を補助・支援する人間の形をしたヒューマノイドロボット
※5:ストリーミングデータソース
数千ものデータソースによって継続的に生成されるデータ

|↑一覧に戻る|