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アイニックス、次世代電子ラベルを10月から販売開始

2020/10/12

アイニックス(株)は10月12日、韓国SoluM社の次世代電子ラベルNewton ESL(Electronic Smart Label)を10月より販売開始すると発表した。

電子ラベルESLは無線によってリアルタイムに表示更新できる電子表示器で、韓国SoluM社の次世代モデルのNewton ESLは、従来モデルと比較して2倍の電池寿命、10倍の更新速度等、大幅に性能が向上したもの。

電子ラベルESLはスーパー、小売業での値札を電子化した電子棚札で、売価変更の際に生じる表示ミスを解消し、値札貼替作業と印刷コストの削減を実現するもの。現在、その活用範囲は工場、倉庫、事務所、病院等にも広がり、現品票、作業指示書、カンバン、棚札、ロッカー名札、患者名札等として使用されている。注目されているダイナミックプライシングに対応するばかりでなく、昨今の課題である人手不足やペーパーレス化の解決方法の1つとして期待されている。

電子ラベルESLの表示部には、視認性の高いE-ink社の電子ペーパーが採用され、白/黒/赤または白/黒/黄の3色での表示が可能で、文字や数字だけでなく、バーコードやイラスト、写真等を表示させることも可能。表示サイズは最小1.6インチから最大11.6インチまでの10種類が用意されている。解像度は従来モデルと比較して20%程度向上し、1.6インチが184 dpi、2.9インチが145 dpiとなり、保存できる画面数は従来の3画面から7画面に増加した。

従来モデルで一部の製品に搭載されていたLEDとボタンは、7色のマルチカラーLEDと2つの多機能ボタンとして全製品に標準搭載されており、様々な表示や操作を自由にプログラムすることが可能。マルチカラーLEDは180度の角度から視認可能で、LEDピッキングや在庫補充タイミングの通知、バッテリ低下等の動作状況の確認にも役立つ。多機能ボタンは画面の切り替えや店員の呼び出し、ピッキング完了時のLED消灯や障害発生時の通知等に利用できる。

Newton ESLはバッテリ寿命が大幅に向上し、1日2回の表示更新で10年以上のバッテリ寿命を実現。ボタン電池のバッテリはどこでも容易に入手可能だが、交換の手間は現場の負担になっていた。電池寿命が大きく伸びたことにより現場の負担を大幅に軽減できる。

また、画面の耐久性は従来よりも80%以上向上し、最大323kg m/s²の耐衝撃性能とIP67の防塵防滴性能を備えている。これらにより落下や衝突による破損や、水や埃の画面への侵入を防ぎ、ディスプレイの表示を鮮明な状態で長期間保つことができる。さらにフリーザモデルは、-25℃の冷凍庫で使用できる。

Newton ESLは、ESLを管理するゲートウェイもリニューアル。全く新しいNewtonゲートウェイは半径30mの通信距離をカバーし、1台で最大5万枚のラベルを管理することができる。また、従来の10倍もの更新速度を実現し、3,000枚のラベルを5分以内に全て書き換えることが可能。無線周波数は60チャネルをサポートし、自動選択機能により素早く最適なチャネルに切り替えることができるため、周囲のWiFi環境の影響を受けることなく、安定した運用を実現することができる。

Newton ESLの価格はオープン価格。スモールスタート用のトライアルセットは2.9インチESLラベル20枚とゲートウェイ、サーバーソフトウェアの組み合わせで参考価格は48万円。小売業、製造業、物流業、病院、オフィス、イベント等の市場に初年度2億円の販売を見込んでいる。

●フリーザ電子ラベル(上)、ゲートウェイ(下)

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