[最新ニュース] IT・マテハン

富士通、独シュナイダーとデータ移行の先進技術で協業

2020/09/25

富士通(株)は9月24日、独シュナイダー・ノイライター・アンド・パートナー SE(SNP社)と、「SAP S/4HANA」への移行手法の1つであるSNP社の「BLUEFIELD(ブルーフィールド)」アプローチの提供に向けて、「プラチナパートナーシップ」契約を締結したと発表した。

昨今、経済産業省が提唱する2025年の崖の大きな要因の1つとして既存の基幹システムの老朽化や複雑化、ブラックボックス化が問題となっており、これらの問題を乗り越え、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためには既存基幹システムの早急な刷新が必要とされている。SAPのERP基盤においても「SAP ERP6.0」の保守期間切れを控え、既存の「SAP ERP6.0」ユーザーである多くの企業は、新バージョンである「SAP S/4HANA」への移行完了に加え、移行に際して事業の継続性を損なわないこと、また、IoTやAIといった先端技術を活用できる次世代ERP基盤を構築することが求められている。

●協業の概要
今回の「プラチナパートナーシップ」契約の締結により、富士通は日本、アジア、欧州、北米等のグローバル市場で「CrystalBridge」の再販が可能となる。「CrystalBridge」は多様なツール群で構成されているデータ変換プラットフォームで、システム環境や移行プロセスの分析、データの移行やテストを自動化する機能を備えている。富士通はSNP社の「CrystalBridge」を活用した「BLUEFIELD」アプローチを、「SAP S/4HANA」への移行を推進する顧客へ10月初旬より提供することで、顧客におけるDXを加速させ企業競争力の強化に貢献する。また、2022年12月末までにグローバルで「BLUEFIELD」アプローチを用いたサービスで100億円の売上(30社への導入)を目指す。

●「BLUEFIELD」アプローチの特長
「BLUEFIELD」アプローチは、「CrystalBridge」を活用し、分析・計画フェーズにおいて、「SAP S/4HANA」化に向けた適用分析を行い、移行スコープやロードマップを策定。その結果に基づき、設計・導入フェーズにおいて既存システム環境のシステム部分とデータ部分を分離し、データのない状態の空システム「Empty Shell」を生成する。その後、「Empty Shell」を「SAP ERP6.0」から「SAP S/4HANA」に変換した上で業務に必要なデータを選択的かつ段階的に移行することにより、顧客のシステムのダウンタイムを最小限に抑えながら最短6か月で「SAP S/4HANA」への移行を実現する。また、「BLUEFIELD」アプローチでは、アプリケーションの変更に合わせてデータ調整が可能であるため、「SAP S/4HANA」への移行と同時にアドオンの削減や業務改修を行うことも可能。

●SNP社について
1994年に設立されたSNP社は複雑なDXプロセスを管理するためのソフトウェア分野におけるグローバルリーディングカンパニー。ドイツのハイデルベルクに本社を置き、世界に約1,500人の従業員を有し、2019年の売上高は約1億4500万ユーロ。SNP社が開発・提供する「BLUEFIELD」アプローチおよびデータ変換プラットフォーム「CrystalBridge」により、企業は迅速かつ安全に「SAP S/4HANA」への移行、ITシステムの再構築および最新化、また新しいシステムやクラウド環境に移行することができる。SNP社は2020年2月28日に株式会社SNP Japanを設立。富士通との「プラチナパートナーシップ」契約を機に、日本企業向けのビジネス展開を加速させる。

●「BLUEFIELD」アプローチのプロセス図

|↑一覧に戻る|