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日通、協働型ピッキングソリューションの本稼働を開始

2020/08/26

日本通運(株)は8月26日、7月に同社品川支店の物流センターでRapyuta Robotics(株)と物流自動化ロボットサービス(RaaS:Robotics as a Service)を提供するプラスオートメーション(株)とで実証実験を進めてきた自律協働型ピッキングロボット(AMR)の本稼働を開始した。

日通は既存の倉庫でもレイアウト変更やMH機器の更新を必要とせず導入可能な自律協働型ピッキングロボットの導入に向け、2018年10月からRapyuta Roboticsと共同開発を開始。2019年6月からはダイキン工業の協力のもと同社の製品保守サービスのパーツ
センター業務を行っている物流センターで実証実験を開始。2020年6月に10台のAMRを配置し、さらなる実証実験や機能開発を進めてきた結果、8月から本格的に稼働することになった。

●概要
日通はAMRを導入する際の課題の解決と、より現状に近いピッキング作業を実現するための仕組みの構築に向け、AMRの性能向上、ピッキング業務における必要な機能の追加等、物流に関するノウハウをRapyuta Roboticsと共有し、順次実験を繰り返しながら準備を進めてきたことで、導入目的であるピッキング作業の効率化・生産性向上、作業者の負荷軽減を図る等の効果が得られることが確認された。

また、改良を重ねたことで簡易な操作性、見やすい画面表示となり、作業の可視化も実装されたことから、誰でも簡単に作業を行える環境が整備され、作業者への業務教育の時間短縮など、間接的な効果も図ることができる。

●AMRの主な改善内容
[AMR本体の変更点/Ver2(今回導入のAMR)/Ver1(2019年実証実験時のAMR)]
▽サイズ/W600×L600×H1,350/W488×L564×H1,236
▽可搬重量/45㎏/30㎏
▽平均走行速度/0.8m/s※最大1.4m/sまで可能/0.4m/s
▽1充電稼働可能時間/8時間/2.5時間
▽最小通路幅/900㎜/900㎜
▽ナビゲーション・障害物検知/LIDAR+3Dカメラ/LIDAR

●追加した主な機能[機能/内容・目的]
(1)ハードウエアの追加
▽緊急停止ボタンの追加/1個から2個へ追加(上×1 下×1)
▽スピーカー/走行、ピッキング時に音声の発出
▽走行LEDランプ/AMRの停止時、右左折時等の点滅表示
(2)ソフトウェア機能向上
▽AMR稼働状況マップ/AMRの稼働位置やエラー内容の表示
▽倉庫管理システムとの情報連携/サイズ超過などオーダー拒否理由を自動配信
▽ピッキング画面遷移スピードの向上/画面タッチ後、次画面表示までの時間を短縮、AMRピッキング画面の視認性向上
▽作業者への次作業ガイド機能/ピッキング待機中AMRの探索が容易

●今後の展開
今回の実証実験から本稼働を経て、人とロボットが安全で効率よく協働して作業できることや、ロボットの利用によって物流業務に一定の効果をもたらすことが判明。今後は日々の運用の中でPDCAサイクルを回し、AMRの能力を最大限に活用できる運用を構築すると共に、2020年度中には同社の他拠点への導入を目指す。

●導入したロボット(上)、複数稼働するロボットの様子(下)

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