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SICK、データフローで独自SensorApp作成

2020/07/20

SICK AGは6月、プログラミングの知識なしでユーザ独自のSensorAppを自身で作成して、新しいオートメーションタスクを簡単に解決するほか、2020年末からはそれがエコシステム「SICK AppSpace」の一部である「SICK AppStudio」で可能になると発表した。 

オートメーションコンセプトは標準仕様であることは稀で、解決する必要のある問題が一見すると標準仕様であるように思われる場合であっても多数のプロジェクトには追加設定・調整作業が潜んでおり。これらの小さな追加作業はたちまち設置作業での費用増加と遅延につながるのに対して、SICKの顧客の場合、プログラミング作業なしで独自のSensorAppを作成し、特定のセンサアプリケーションを解決することができる、としている。 

エコシステム「SICK AppSpace」では、SensorAppを使用して、プラグラマブルセンサとエッジデバイスを新しいタスク用に設定することが可能。すでに多くのアプリが「SICK AppPool」からダウンロード可能となっている。特定のアプリケーションでは、ユーザーが独自にSensorAppを開発できるほか、SICKのエキスパートによる開発者コミュニティのサポートを受けながら開発することもできる。

従来は「SICK AppStudio」で独自のSensorAppを作成するには基本的なプログラミングの知識が必要だったが、今回の「SICK AppStudio」内の新しいグラフィカルユーザインタフェースでは、特定のセンサアプリケーションをプログラミングの知識なしでも解決できるようになったという。その際、ユーザーは事前定義されたファンクションブロックをデータフローとしてつなぎ合わせて設定することになる。そこで常に起点となるのは、センサが解決すべきタスクで、デオドラントボトルをキャップの色で区別して数える場合、ユーザーはライブラリに既に用意されているファンクションブロックを組み合わせてデータフローを作成する。1つ1つの作業ステップ後に結果のプレビューが表示されるため、設定を即座に調整することが可能になる。また、SensorAppはオープンアーキテクチャになっているため、ファンクションブロックのソースコードを調整して、アプリケーション要件の高度化や特有の要件に対応することも可能になっている。 

また、データフローのグラフィカル編集は対象・ユーザグループの底辺の拡大に貢献し、最終的には自身のアプリケーション用に役立てることができるユーザー数の増加につながる。新しい、カスタマイズしたファンクションブロックに対する需要が高まっており、対応する開発者コミュニティも拡大している。これはすなわち、「SICK AppPool」の可能性と多様性が拡大することを、それに伴おセンサとセンサシステムの用途も広がることを意味している。 

●SICK AppSpaceのアプリケーション:標準仕様のアプリケーションではなくても問題なく、SICK AppSpaceでは独自のアプリケーションを自分で作成できる(上)、AppSpaceフロー:ファンクションブロックを組み合わせて作成されたデータフロー(下)

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