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村田機械、3Dロボット倉庫システムをアルペンへ納入

2020/08/14

村田機械(株)は8月7日、(株)アルペンと、3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT(アルファボット)」の国内初となる工事契約を7月22日付で締結したことを明らかにした。

ALPHABOTはアルペングループの物流主要拠点であるアルペン小牧ディストリビューションセンター(小牧DC)に、同社物流業務の保管補充、ピッキング、仕分け、梱包の工程において約6割の業務削減を目指し、導入される。稼働は2021年7月を予定している。

スポーツ小売の国内トップブランドであるアルペングループは、これまで30年以上にわたり、「スポーツをもっと身近に」というコーポレートスローガンのもと、スポーツ小売業界において多様化する消費者のニーズに合わせて、全国に店舗を展開。現在は小規模店舗「アルペン」、大規模店舗「スポーツデポ」、ゴルフ用品専門店「ゴルフ5」、アウトドア専門店系列の「アルペン アウトドアーズ/マウンテンズ」の4チャンネルを運営している。各チャンネルではスポーツ用品だけではなく、アパレルやシューズ、関連アクセサリ類等様々なカテゴリの商品をテーマに沿ってトータルに提案し、多様なニーズに応えている。

 
一方、商品を管理する物流業界では新型コロナウイルスの影響により、非接触志向からEC利用率が増え、物流需要が増加したことにより、現場での人手不足が深刻化しつつある。さらに物流センター内では従業員による密の回避が必要となっており、新生活様式に合わせ、DXを推進した新たな物流体制を導入していくことが求められている。

そこで同グループの新物流戦略では、各販売チャンネルに対して様々なカテゴリの商品を迅速かつ効率的に供給するため、物流システムを再構築するほか、アパレル、シューズ、大物、小物等カテゴリ別に物流網を整流化し、以下の3項目を実現していく方針。

(1)店舗までの供給リードタイムの大幅短縮化の実現
(2)売場/ブランド別梱包納品による店舗品出しまでの作業簡素化
(3)出荷物量コントロールによる庫内作業人数および配送の最適化

新物流戦略の第1弾として、フィットネス用品やサポーター等、比較的小さいアイテムに特化した物流拠点である小牧DCでは「ALPHABOT」を導入。なお、今回の導入により以下の3つの効果が期待でき、物流業務の保管補充、ピッキング、仕分け、梱包の工程において約6割の業務削減を目指す。

(1)従来の平置き倉庫から空間使用効率の高い立体保管に変更し、取扱商品を拡充
(2)作業者の探す・歩く手間を削減し、生産性の向上と作業の非熟練化を実現
(3)ピッキングから仕分梱包までをワンプロセスで行い、ヒューマンエラーの削減、仕分け・出荷効率の向上

同グループは、今後も新物流戦略を進めていくことで全国約400店舗で魅力ある店舗づくりおよび顧客体験をさらに強化。村田機械と共に「ALPHABOT」をシステムとして継続的に進化させるため実運用での検証を重ね、新しい物流システムとして確立・進化させる予定。

●ALPHABOTについて
日本初の導入となるALPHABOTは、村田機械が2019年に戦略的パートナーシップを締結した米国の物流ロボットメーカー・Alert Innovation(アラート・イノベーション)社から技術導入した、保管からピッキングまでロボット台車で完結させたシンプルな仕組みの自動倉庫システム。従来の自動倉庫とは異なり、走行・昇降機能を有するロボット台車(BOT:ボット)が、保管ラックの外も走行してピッキングポイントに商品を自動で供給するため、膨大な在庫商品からオーダー単位で商品を揃える作業者は、広大なスペースを歩行する必要がなく、定点で効率良くピッキングできる。また、3Dロボット倉庫は、商品を立体保管ラックに収納するため、AGV型ロボットより少ない床面積で大量の在庫商品に対応することが可能。さらに商品格納や商品ピック時のワークステーションが併設されており、オーダー別ピックのほか、バッチ毎のトータルピックにも対応。柔軟な出荷プロセスへの対応が可能となる。従来の自動倉庫と異なり、ボットにしか駆動部がないためシステム全体のトラブルも少なく、ボットの故障時にも他のボットでリカバリーが可能なため、システム全体を停止させず、出荷を止める必要がないという。

●「ALPHABOT」システム概要
・ロボット台車:130台
・保管数:約2万6,000ケース
・設置面積:69mx24mx高さ6m

●「ALPHABOT」システム導入のイメージ(上)、ALPHABOTロボット台車「BOT」(下)

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