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オムロンと日本マイクロソフト、「ものづくり」の活性化を目指し、生産現場におけるビッグデータ活用で協業

2013/02/02

1月30日、オムロン(株)と、日本マイクロソフト(株)は、製造業の「ものづくり」に直結する、製品及び生産品質の向上に貢献するため、生産現場のさまざまな情報を高速に収集、処理、活用する、生産現場のビッグデータ活用において協業することに合意したと発表した。

製造業のグローバル競争の激化、製品の安心・安全への対応に伴い、ますます増大の一途をたどる生産に不可欠な情報を、迅速に取り込み活用することが、ものづくりの競争優位を生む新たなニーズとして顕在化してきている。今回の協業により、オムロンの保有するセンシング&コントロール機器と、日本マイクロソフトのソフトウェアを組み合わせることで、生産現場の膨大な情報をスピーディーに収集・活用できるシステムを、簡単に構築することが可能となる。両社では本協業により、ものづくりの現場における新たなデータ収集・活用の形を、日本発でグローバルに発信していきたいと考えている。

背景として、製造業では、グローバル競争の激化や事業環境変化へ対応しながら、顧客により安心で安全な製品を届け続けることの重要性が増しており、生産現場ではより一層の生産コスト削減と、製品品質に関するトレーサビリティの実現の両立が求められている。そのためには、機械の能力増強や生産スピードの向上に加え、製品そのものの安全性を担保するために品質データを漏れなく取ること、個々の製品品質が確実に管理されていることなど、生産現場の情報を活用し競争優位をつくりこむことが重要となる。

また、生産現場で行われる改善活動において情報活用を推進するためには、機械の制御システムと生産管理システムを連携させる固有の仕組みが必要となる一方で、激しい競争を勝ち抜くために、現場の担当者自身が情報を活用し、簡単にシステムの拡張や変更を行える仕組みであることも求められる。このような背景のもと、オムロンと日本マイクロソフトは、機械の高速化を実現しながら、生産ラインで発生する大量の情報を誰もが容易に活用できる、製造業の新たな「ものづくり」を支えるソリューションの開発に至った。

協業ソリューションについて本協業に基づく第一弾のソリューションとして、機械から生成されるリアルタイムデータ(マシンデータ)と生産現場のさまざまな情報を高速に収集、処理、活用する「Sysmac & SQL直結ソリューション」を2013年4月下旬より提供する。また、本ソリューションの中核となる商品として、オムロンはSysmacオートメーションプラットフォーム対応製品「Sysmac NJシリーズ データベース接続CPUユニット」を2013年4月下旬より発売する。本製品により、最速20msでマシンデータを、シリアル番号やタイムスタンプなどと紐付けてMicrosoft SQL Serverにリアルタイムで収集できるようになり、製造履歴管理(品質トレーサビリティ)や、機械の保全業務支援のためのデータ活用が容易にできるようになる。これにより、生産現場に存在している大量のマシンデータを用いた製品品質や生産プロセスの改善を迅速に行うなどの経営価値を高める活動を推進できる。また、世界各国で広く利用されているマイクロソフトのテクノロジを活用することで、世界のどの工場においても均一の製品品質や生産プロセスを実現できる。

本協業において日本マイクロソフトは、Windows 8や Windows Phoneなどのタブレットやモバイル、Windows Azureなどのクラウド技術等を共同ソリューションにいち早く取り込み、生産現場の内と外で情報を活用できる仕組みの提案を行うとともに、オムロンのSysmac & SQL直結ソリューションの海外展開を支援していく。さらに両社では、オムロン草津事業所内「つなぎラボ」で展示するモデル機械を使用した本ソリューションの検証環境を提供するほか、両社および両社のソリューションパートナー企業と連携して、営業・マーケティング活動を推進していく。本協業を通じて、オムロンおよび日本マイクロソフトの両社で、2013年に30社の導入を目指している。

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