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村田、医療材料の物流管理向けトライアルサービス開始

2020/05/27

(株)村田製作所は5月26日、医療機器メーカーや物流事業者等が検品作業や在庫管理の業務効率化のためにRFIDシステムをより手軽に導入できるよう、効果検証等の小規模運用から利用可能な「id-Bridge」トライアルサービスを5月から開始すると発表した。

医療機器業界では、流通経路や取引形態の複雑化から医療機器メーカー各社での物流管理業務や市場在庫の把握が喫緊の課題となっている。特に、高度管理医療機器に分類される整形インプラント製品や血管カテーテル・ステント等の循環器製品をはじめとする医療材料は、医療機関への流通過程において、製品の出荷・返却に伴う検品作業や棚卸業務に多大な時間とコストが発生している。

本サービスでは、同社が通信事業で培った安定した無線環境を構築する技術や、利用環境に応じた導入サポートのノウハウを活かし、医療材料の物流管理に最適なソフトウェアとハードウェアの提供から導入時の現場調整までをトータルサポート。これにより機器の相性問題や電波の利用環境に左右されない安定したシステム環境の構築を実現する。

「id-Bridge」は同社が開発するRFIDミドルウェア(※1)のウェブアプリケーションで、顧客の基幹システムと各RFID機器(プリンタ、リーダライタ等)との間でデータ連携を行う。一般的に基幹システムとの連携を前提としたシステム構築には大規模な投資が必要となるが、スタンドアロンで稼働可能な「id-Bridge」は低価格でRFIDシステム導入による効果検証が可能。また、導入後に基幹システムとの連携を希望する場合、ミドルウェア内にデータ連携の追加インターフェースを開発することも可能としている。なお、一般的な物流業務や物品の管理に必要とされる基本機能も備えており、医療分野以外の幅広い用途にも適応する。

※1:様々なRFID関連機器の制御や取得したデータの集計およびフィルタリング、上位システムとのインターフェースの役割を果たすソフトウェア

●「id-Bridge」トライアルサービスの特長
・スタンドアロンで稼働し、低コストでのRFIDシステム導入を実現
・主要なRFID関連機器(リーダライタ、プリンタ)に対応し、一括コントロールが可能
・ウェブアプリケーションのためソフトウェアの新規インストールが不要
・RFIDタグ発行、検品作業、棚卸し、製品探索等の幅広い物流管理業務プロセスに適応
・米国医療機器・IVD工業会(AMDD※2)推奨の国際規格GS1-128(※3)に準じたRFIDタグ発行機能を標準化
・RFIDタグのEPCメモリ(※4)にGTIN(※5)・シリアル(※6)、USERメモリ(※7)にロット番号・有効期限等をPacked Object方式(※8)で圧縮書き込み
・顧客の独自フォーマットの書き込みにも対応
・医療分野以外の幅広い物流管理業務への導入にも対応

※2:米国に本社を置く企業の日本法人および賛助会員企業で構成された医療機器と体外診断用医薬品の業界団体。
※3:GS1(国際流通標準化機関)で規定された医療材料の標準バーコード体系
※4:UHF帯RFIDタグに内蔵され、書き換え可能でタグIDとして利用可能なメモリ領域
※5:GS1標準の商品識別コード
※6:顧客が運用する商品用の個別識別コード
※7:UHF帯RFIDタグに内蔵されている、ユーザーが書き込み可能なメモリ領域
※8:GS1-128のバーコードに記載されたロット、有効期限等の情報をRFIDタグのUSERメモリに書き込む際のデータ圧縮方式

●トライアルサービス詳細情報
https://solution.murata.com/ja-jp/service/rfid-solution/idbridge-trial/

●「id-Bridge」の利用イメージ(上)、システム構成例(下、タグの読み取り方法はハンディリーダ、もしくは据置リーダを用いたテーブル型、トンネル型、ゲート型等顧客の希望に合わせて対応可能)

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