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業務用サービスロボット市場は64億6,400万円

2020/04/23

(株)矢野経済研究所は4月22日、2019年度の国内業務用サービスロボット市場(メーカー出荷金額ベース)は64億6,400万円(同127.9%)となる見通しを発表した。

同調査は業務用途でのサービスを提供するロボット、搬送ロボットや掃除ロボット、パワーアシストスーツ(PAS)​、レジロボット、検査・点検ロボット、警備ロボットの6タイプを対象に市場規模を算出。2018年度の業務用サービスロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)を前年度比122.8%の50億5,500万円と推計した。タイプ別に市場をみると、製品価格が高い搬送ロボット(非ガイド走行式AGV)と低価格だが出荷数量が多いPASが牽引し、市場が拡大している。また、床掃き・床洗浄・窓拭き等安定した用途を持つ掃除ロボットも一定の存在感を示し、異業種からの参入や新製品の投入が盛んな用途のロボットが市場を押し上げていると指摘している。

ほとんどの業務用サービスロボットは、人による作業を代替することで肉体的負担や手間を軽減し、作業効率を向上することで、結果的に労働力補完につながる点がメリットとして挙げられる。唯一、歩行支援目的のPASだけは労働力補完というよりも、使用者の歩行機能回復(維持)にメリットを求めている。リハビリ技師(理学療法士)の作業負担を軽減できるという点で、結果的に肉体的負担を減らすといえなくもないが、主目的が使用者自身の機能回復にある点で医療機器的要素が強く、他の業務用サービスロボットとはやや性格を異にする。

業務用サービスロボットは使用場面に応じた使いやすさを備えた上で、人の負担を軽減し作業効率を向上させ、労働力を補完できることが期待される。ロボットの機能や効果は、おもに製品価格により判断されることから、コストメリットが導入検討時の大きな判断材料となる。つまり、業務用サーボスロボット導入の判断は、ユーザにより異なる使用場面でメリットが見込めるか、そのメリットが製品価格に見合う内容かが問われることとなる。

業務用サービスロボット市場は今後も拡大する見通しで、搬送ロボットや掃除ロボット、PASが成長を牽引していく構造に変わりはない。ただし、市場全体に与える影響力に、製品価格の差が影響するため、搬送ロボットが一番の牽引役を果たす見込み。同研究所では、2022年度の業務用サービスロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)は129億1,500万円になると予測する。

●業務用サービスロボット市場規模推移と予測

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