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2020年度の国内の屋内位置情報市場は31.0%増

2020/02/17

(株)矢野経済研究所は2月14日、国内の屋内位置情報ソリューション市場(事業者売上高ベース)について、2017年度に20億円程度とさほど大きくない市場だったのに対して、2018年度は前年度比41.6%増の28億6,000万円まで成長したと発表した。

現在、屋内位置情報サービス/ソリューションを活用している需要分野は、製造業やオフィス、病院等で、業務用途として生産現場や倉庫、オフィス、病院内で人やモノの位置を明らかにして、省力化や自動化、安全性向上などを目的に利用されている。

2019年度の同市場は前年度比34.3%増の38億4,000万円に拡大すると推計している。

同市場は依然として黎明期に近い状況で、ベンダー各社は幅広く様々な業種、業態にトライしており、市場への参入・撤退が活発に行われている一方、継続して市場参入しているベンダーにおいても着実に業績を拡大しているベンダーとこの数年間ほぼ横ばいのベンダーに二極化している状況にある。

矢野研究所では、各社は自社の強みを活かしながら、提供するサービス/ソリューションのターゲットを具体的に設定。その需要分野に特化した展開を図る動きになってきていると指摘している。

中でも、中心となるターゲットは主にB2B、つまり業務用途が中心で、特に製造業、オフィス、病院等。一方、数年前には大いに期待された大規模な商業施設や、駅や空港、市庁舎等の公共施設向けに注力しているベンダーは減少傾向にある。ターゲットの設定は、屋内位置情報等のイノベーティブなソリューションにおいては非常に重要であると考えられ、具体的なターゲットに向けた明確な投資効果を設定して訴求していくことによって、次第に市場に受け入れられるものと結論づけている。

●将来展望
製造業の生産現場や倉庫、オフィス、病院等で引き続き利用が進むことから、2020年度の同市場は前年度比31.0%増の50億3,000万円に達する見通し。その後もベンダー各社の需要分野に特化し、展開を図る動きが順調に進展することにより、2025年度の同市場は120億円まで成長すると予測する。

●調査要綱
調査期間:2019年10月~12月
調査対象:屋内位置情報関連サービス/ソリューション提供事業者
調査方法:矢野研究所専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

●屋内位置情報ソリューション市場規模推移・予測

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