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日通、トピー工業製搬送支援AGVを導入

2019/12/23

日本通運(株)は12月13日、労働力不足をはじめとする物流現場の課題解消に向け、同社が開発支援したトピー工業(株)製搬送支援AGV(リモート積収クローラー)を導入すると発表した。

昨今の労働力不足の深刻化を背景に大部分が人力作業に頼った荷役現場を機械化等により省人化・省力化することが喫緊の課題となる一方、物流ターミナル等では、時間帯・曜日・季節によってハンドリングする荷量が著しく変動し、頻繁に動線が変わることから、無人搬送機の導入が困難な状況にある。

そこで同社は、積収クローラーの持つロールボックス積載機能、不整地踏破能力、登坂能力に着目。積収クローラーはプログラムによる自動走行、リモートコントロールによる操作のいずれも可能で、変動要素の多い同社の現場実態を考慮し、作業環境に対して柔軟な対応が可能なリモコン操作による運用を主体として、トピー工業および同社グループの日通商事(株)の協力のもと、実証を重ねてきた。

●導入するリモート積収クローラーの基本情報
最大積載重量:500kg
本体重量:130kg
段差昇降:15mm

●リモート積収クローラーの特長と物流現場への導入効果
(1)床面の凹凸や段差、傾斜など、大重量を積載している状態でも問題なく踏破可能。

(2)横移動やその場での方向転換など、小回りが利くため、狭いスペースでもロールボックスの整列が可能。

(3)リモコン操作者1名により、腕力のない方でもロールボックスのトラックへの積み込み・取り卸ろし・ホーム上の搬送作業が可能。

(4)ロールボックスに近接する必要がなく、作業スタッフの安全を確保した上での作業が可能。

(5)経路上に人や荷物等の障害物があった場合、センサで検知して自動で停止。

●今後の展開
実際の現場での実証実験を重ねた結果、ロールボックス搬送作業時の安全確保および労働負荷軽減、機械化による高齢者や女性の職域拡大、人手不足の解消等、物流現場の課題解決が期待できる成果を確認。また、過重労働が問題とされているドライバーの負荷を軽減し、ターミナル作業スタッフとの役割分担の見直しも可能となる。

同社は今年度内に開発試験機を複数台導入し、現場活用のさらなる研究に取り組むほか、積収クローラーの物流現場対応機能向上に向けた開発への協力を進めていく。さらに定型的な作業を行う現場等では、自動制御による無人化も可能と考えられるため、今後の研究対象として取り組んでいく予定。

●日通が導入する搬送支援AGV:リモート積収クローラー(上)、人が触れることなくロールボックスを安全に運搬する(下)

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