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パナソニック、在庫適正化ソリューションを導入

2019/10/24

ウイングアーク1st(株)は10月10日、パナソニック(株)コネクティッドソリューションズ社 メディアエンターテインメント事業部の門真工場に、ウイングアークが開発した、BIツール「Dr.Sum」とダッシュボード「MotionBoard」で構成する「在庫適正化ソリューション」が採用されたと発表した。

在庫管理における部品や原材料の滞留在庫をスピーディに判別することにより、正確なデータから滞留在庫の課題を洗い出し、滞留在庫の金額を工場全体で15%程度の削減し、業務の効率化を実現した。 

門真工場で製造されている高輝度・高機能の業務用大型プロジェクタはグローバル市場でトップシェアを持つ製品で、パナソニック独自のレーザテクノロジーや4K映像投射、デジタルリンク等の機能に対応し、品目マスタで管理されている部品の総数は十数万点にも及ぶ。

生産管理システム(SAP ERP)から必要なデータをAccessで検索し、Excelを用いて集計やグラフ化等を行っていたが、データ量が多すぎてPCに取り込めないほか、処理能力が足りずに思うように分析できないこともあった。また、せっかくレポートを作成しても、その時点ですでに大きなタイムラグが発生しており、最新の生産計画や在庫量等のリアルな数字と乖離しているケースも少なくなかったという。

そこでパナソニックは滞留在庫が引き起こす課題の洗い出しや在庫の後追い管理ではなく、先手管理の実現に向けて新たなツールの導入を検討。2019年3月にDr.SumとMotionBoardで構成された「在庫適正化ソリューション」を採用している。

●導入効果
ダッシュボードには主要製品の部品在庫の滞留状況が金額(単価×数量)の高い品目順にカラーで表示される。さらに、そこから浮かび上がってきた要注意品目について、ロケーション別にドリルダウンしてその内訳を見たり、流動数曲線(※)を用いて過去の滞留状況の傾向を調べたり、今後の入出庫予定を確認できる仕組みを実現。同ダッシュボードにより、意図的な滞留在庫と、意図していない滞留在庫を明確に判別した上で、具体的なアクションを導くための気づきが得られるようになったという。また、データを正確に伝えることができるため、関係者の理解が進み、経営層との会議でも、過去の在庫をどうするかという課題について話をするのではなく、未来の適正化や先手の対策を検討することができる。

その結果、滞留在庫の金額を工場全体で15%程度削減させた。

●事例紹介
http://www.wingarc.com/product/usecase/detail.php?id=259

※入庫数と出庫数それぞれを、縦軸を累積数、横軸を日付としてグラフ化することで、入出庫のコントロール状況を確認。2つの線が上下に離れるほど余剰在庫の増加、 左右に離れるほど滞留期間の増加を表す。

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