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2018年国内RFID関連市場は前年比6.2%増

2019/10/04

(株)矢野経済研究所は10月4日、2018年のRFID(Radio Frequency Identification)ソリューション国内市場規模が前年比6.2%増の383億1,000万円だったと発表した。

RFIDは高度情報サービスのツールとして期待される自動認識技術の1つで、本格的な応用開発が始まったのはICメモリの改良や低コスト化、およびバッテリーレス化が進んだ1990年代後半以降で1999年にはRFID技術の標準化の取り組みも始まった。

RFIDタグは主にアパレル産業で採用されているが、アパレル生産は中国や東南アジア地域を中心に展開されているため、海外需要が主流であり、国内需要は限定的。また、タグの価格自体は大幅に下落した一方、リーダやライタ、アプリケーションソフトを含めたRFIDソリューションの導入はかなりの初期投資を必要とするため、なかなか導入するのが難しく、物流業界でもRFID導入の動きはまだ鈍いとみられる。

RFID需要は国内外ともにアパレル産業向けの低価格汎用品が、着実に拡大するものと見られるが、アパレル産業以外での採用はまだ限定的。こうした中、金属素材である場合や水分の影響を受け難いなど、汎用品では対応することが難しい用途向けの高機能型のRFIDタグの実用化に向けた動きが活発化している。今後、国内外の日系企業向け需要が期待される。

同社は2023年のRFIDソリューション国内市場規模を516億1,000万円と予測。今後もアパレル産業向けRFIDタグの需要が堅調に推移するほか、金属対応タグやランドリータグ(※1)、真贋判定タグ(※2)等の高性能タグの需要が高まるものとみられ、RFIDソリューション国内市場全体は高機能タグが牽引する形での拡大基調となる見通し。

​※1:耐熱性・耐寒性を持つICタグで、洗濯機や乾燥機への耐久性が強いことから、貴重な衣類や洗濯物等の紛失防止に使用される。
※2:ICタグに特殊な脆性加工が施された層があり、ラベルを剥がすとアンテナ回路が破壊され、ICタグが機能しなくなることから、不正な貼り替えや再利用を防止できる。高級ワインのボトル、高級化粧品のパッケージ等に使用される。

●RFIDソリューションの国内市場規模予測

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