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ダイフク、「エリア管理システム」を開発し、ISO認証を取得

2014/02/17

(株)ダイフクは、経済産業省および独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が実施する「生活支援ロボット実用化プロジェクト(2009-2013)」の一環として、「エリア管理システム」を開発。これに対し、一般財団法人日本品質保証機構(以下、JQA)より生活支援ロボットの国際安全規格ISO13482:2014の認証を2月17日に取得したと発表した。

同社は、NEDOから委託を受け2011年度より同プロジェクトに参加し、「安全技術を導入した配送センター内高速ビークルシステムの開発」を行ってきた。従来のビークルに比べ約3倍の200m/minで走行する高速ビークルを開発する中で、その安全性を高めるために「エリア管理システム」もあわせて開発したもの。エリア管理システムは、UWB(Ultra Wide Band、超広域帯無線)による位置計測により、センター内の作業者やフォークリフトの位置をリアルタイムに計測し、ビークルの走行速度をコントロールすることにより、安全を確保する。

ISO13482は2014年2月1日に新たに発行された規格で、今回の認証取得は、同規格発行後、世界で初となる。

NEDOが2009年度から5年計画で実施している生活支援ロボット実用化プロジェクトでは、サービスロボットとして産業化が期待されるロボットを対象に、プロジェクトに参加しているロボットメーカー、試験研究機関および認証機関などが密接に連携しながら本質安全・機能安全の試験を行い、安全性などのデータを取得・蓄積・分析して具体的な安全性検証手法の研究開発を実施するとともに、国際標準化提案と認証手法の開発を行ってきた。また、2010年には、同プロジェクトの安全性検証手法開発の拠点として、茨城県つくば市に「生活支援ロボット安全性検証センター」を設立した。

同社は2011年度より同プロジェクトに参加し、「安全技術を導入した配送センター内高速ビークルシステムの開発」を行ってきた。

ビークルシステムは走行レールおよび給電線がなく、自動ステアリング機能を持つ自走台車を運用するもので、フレキシビリティの高い搬送システムとして位置付けられている。ただ、これまで国内で運用するビークルは、処理能力の鍵となる走行速度に最高60m/minの規制があった。このため、処理能力・生産性の高いシステムは望めず、ビークルの利用は限定的な用途にとどまっていた。そこで同社は、最高速度200m/minのビークルを開発し、その安全技術の開発に取り組んできた。

UWBによる位置計測により作業者やフォークリフトの位置をリアルタイムに計測し、ビークルの速度をコントロールするエリア管理システムの開発を行った。ビークルの進行方向に、作業者・フォークリフトがいるとビークルは自動的に低速運行し、作業者やフォークリフトの安全を確保する。また、パレットラックなどの物陰にいる作業者やフォークリフトも感知することができるので、これまでの障害物センサーでは感知できないような状況にも対応できる。例えば、作業者やフォークリフトが物陰や通路のコーナー部分からビークルの正面に飛び出すような状況でも、事前にビークルを低速に運行させ安全性を確保する。

同システムに対して、2014年2月1日に発行されましたISO13482に基づく認証審査を受け、2 月17日、JQAより認証書が発行された。なお、同規格の認証は同日、同社の他1社が取得している。

今回得られた知見をもとに、一般社団法人産業車両協会に、JISD6802:無人搬送車システム-安全通則」の追加防護策の提言を行う。同協会では、現行のJISD6802と今回提言する追加防護策を合わせ、ビークルを高速化した際の業界規格を作成する予定だ。

さらに同社としては、既存の工場や配送センターに拡販していくとともに、今回開発した位置計測技術をもとに、新市場の開拓を目指すとしている。

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