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日本瓦斯、ガスメーターオンライン化NCUの開発に成功

2019/07/03

日本瓦斯(株)は7月2日、ガスメーターをオンライン化し、ガスの使用量をリアルタイムに計測できるNCU(※1)「スペース蛍」の自社開発に成功したと発表した。

「スペース蛍」の最大の特徴は通信における柔軟性の高さ。通信方式はSigfoxとLTE-Mのハイブリッドで、(株)ソラコムと共同開発したIoTデータ収集基盤システム「ニチガスストリーム」(※2)と連携させ、フォーマットも共通化した。これにより、特定の通信方式やキャリアの制限を受けることなくデータを取得し、電波状況等に応じた、きめ細かい通信サービスを提供することができる。

また、電池交換を10年間不要としながら、従来人間が月に1回、顧客宅で計測していた検針データを遠隔で1時間に1回自動計測することができ、従来の720倍にも及ぶ精緻なデータの把握が可能。これにより、顧客宅のガス残量を可視化でき、ガスボンベの交換タイミングをさらに最適化し、配送効率を飛躍的に向上させることで、オペレーションコストの大幅な削減を実現できる。加えて、従来顧客宅に出向いて行っていた、ガスメーターの開閉も遠隔操作が可能となる。

これにより、顧客は開閉栓への立ち合いが不要となり、利便性が大きく向上。加えて、ガスの微小漏洩警告等の保安情報もリアルタイムに把握でき、保安の高度化も実現される。

同社は「スペース蛍」によるガス使用量データのリアルタイム化に加え、2020年完成予定の世界最大級のハブ充填基地「夢の絆・川崎」(※3)には貯蔵タンクのガス残量・ボンベ在庫本数・ガス充填機の稼働状況をリアルタイムに把握する技術や、ガスボンベにRFIDを貼付し、ガスボンベの配送経路や位置情報をリアルタイムに把握する技術を構築している。

今後は「スペース蛍」を2021年3月期中に同社グループのLPガスを使用する顧客(約85万件/5月末時点)に導入し、次いで同社グループの導管で都市ガスを供給している顧客(約41万件/5月末時点)にも順次導入する予定。同時に他のLPガス事業者に対して、エネルギープラットフォームを提供する世界初の「LPG託送サービス」を開始する。

(※1)Network Control Unitの略。ガスメーターの使用量データを電子的に読み取り、フォーマット変換の後に無線を使ってクラウドへ送信するIoT装置を指す。

(※2)日本瓦斯がソラコム社の通信技術により協働で構築している、世の中にある様々なIoTデバイス(ガスボンベやメーター等)等から集めたデータを効率的にワイヤレスで収集する仕組みを指す。

(※3)日本瓦斯が建設している大型LPガスハブ充填基地。同基地は最新のICT、IoT技術を組み込むことで、LPガスタンクへのガスの受け入れ、LPガスの共同充填・トレーラーへの積載、耐圧検査等をデジタルトランスフォーメーションによる完全無人化を目指している。

●NCU「スペース蛍」イメージ

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