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国内企業のAI導入率2.9%、業種別では流通業が最低

2018/12/13

(株)矢野経済研究所は12月13日、2018年7月~10月に実施した国内民間企業515社へのAI(機械学習やディープラーニング、自然言語処理、画像認識、機械翻訳、ロボット、チャットボット、RPA等)の導入状況に関する法人アンケートの調査結果を発表した。

まず現時点でAIを「すでに導入している」と回答した比率は全体の2.9%となり、注目度が高いAIだが、まだ導入率は低いことが判明した。次に「実証実験(PoC)を行っている」という回答は5.8%で、導入済と合計しても8.7%となった。ただし、AIへの関心は高く、「今後も取り組む予定はない」という回答は15.0%に留まった。

AIの導入率を業種別に見ると、金融業(n=16)が12.5%と最も高く、プロセス製造業(n=129)が3.9%、加工組立製造業(n=108)3.7%、サービス業(n=141)2.1%と続き、流通業(n=121)が最も低く0.8%となった。製造業は全体よりやや高い傾向にある。

流通業はITの活用に慎重な企業が多く、IT人材も少ないという実態があり、今回の調査結果で業種別でAI導入率が最も低い結果となった。しかし、昨今、流通業を取り巻く環境は大きく変化している。少子高齢化による労働力不足が深刻化しており、店舗スタッフの雇用難、ベテランスタッフの高齢化や退職増などへの対策が喫緊の課題となっている。

これらの流通業の課題解決に向けて決済や販売、需要予測等を支援するAIを搭載したソリューションが提供されており、省力化や業務自動化の効果は大きいと期待されている。ただし、現在、流通業でのAIの活用は大手企業に集中。中小企業への普及が進むためにはAIソリューションの低価格化や導入効果の明確な検証が求められている。

●業種別AI技術の導入状況 

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