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日野自動車とデンソー、ハイブリッドユニットを活用した電動式冷凍システムを共同開発

2014/01/29

日野自動車(株)と(株)デンソーは、環境性能を向上させた新技術・新製品開発の一環として、ハイブリッドユニットを活用した電動式冷凍システムを大型トラック用としては世界で初めて開発した。「日野プロフィア」に搭載して、2月1日に発売する。

今回発売した「日野プロフィア 電動冷凍車」は、日野のハイブリッドシステム技術と、デンソーの車載用電動式冷凍システム技術のコラボレーションにより、経済性、冷凍性能、品質に優れ、かつ静粛性が高い、車両トータルとしての顧客のメリットを実現している。

ハイブリッドトラックは通常、ハイブリッドシステムのエネルギーを車両の走行アシストに利用して燃費を向上させるが、今回発売する大型トラックではハイブリッドシステムのエネルギーを走行には使わず電動式冷凍システムの駆動のみに活用することで、燃料消費量の低減を実現した。

冷凍車は通常、冷凍機専用に追加搭載したサブエンジン、または車両走行用のメインエンジンによりコンプレッサーを駆動するが、今回共同開発した電動式冷凍システムは、ハイブリッドシステムを応用し、走行時に効果的に発電、または回生したエネルギーを冷凍機用電動コンプレッサーの駆動のみに使用する。これにより、冷凍機用コンプレッサーを駆動するためにエンジンを稼動させていた分の燃料消費量とそれに伴うCO2排出量を大幅に低減することが可能になる。

このシステムでは、ハイブリッドシステムからの電力により電動コンプレッサーを駆動するため、サブエンジン方式に比べ、高い静粛性を実現している。さらにこのシステムは冷凍機専用のエンジンが不要なため、約150Kgの軽量化も実現した。

メインエンジン方式と比べた場合についても、車両の走行・停止状態に関係なくハイブリッドシステムからの安定した電力供給により適正な回転数でコンプレッサーを駆動することが可能となり、より安定した冷凍冷蔵性能・品質を保つことができる。加えて、メインエンジン方式では構成部品をエンジンルームや車両の床下などに分散して搭載しているが、今回開発したシステムは電動コンプレッサーやコンデンサーなどの構成部品を集約してユニット化している。その結果、配管や配線が少ないシンプルな構造を実現し、メンテナンス性を高めることができた。

さらに、このシステムはスタンバイ装置を標準装備しており、外部の200V電源と接続することで、長時間のエンジン停止時にも冷凍室内の温度を維持することが可能。また、スタンバイ装置のタイマー機能を利用することにより、荷積み前に冷凍室を適温に冷却しておく予冷運転をドライバーの操作なしに行う事が可能なため、予冷運転のための燃料が不要となるだけでなく、人件費節約にも貢献する。

「日野プロフィア 電動冷凍車」は、冷凍システムの燃料消費量低減とともに平成27年度燃費基準の基準値を5%上回る低燃費も達成している。また先行車への追突回避を支援することも可能になったPCS(プリクラッシュセーフティ:衝突被害軽減ブレーキ)や、より適切なタイミングで警報できるようになった車線逸脱警報、検出性能を向上させたドライバーモニターなど先進の安全装備を標準装備しており、高い環境性能と安全性能を両立した大型トラックだ。

日野とデンソーは、「日野デュトロ ハイブリッド」で実績のある小型で軽量コンパクトなハイブリッドユニットを電動式冷凍システムの電源として最適化することで、環境性能の向上に加え、積載量への影響を最小限に抑えながら経済性を確保し、顧客の車両運行におけるメリットを実現した。

日野はこれからも、環境や人に優しく、顧客のお役に立つ商品を提供していくという。

デンソーは、より環境にやさしい社会の実現に向け、これからもクルマの環境性能向上に貢献する技術・製品開発に取組んでいくとしている。

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