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ゼブラ、「フルフィルメントに関する展望調査」を発表

2018/09/20

ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーションは9月20日、オンラインショッピングの普及に伴い当日、即時配送に対するニーズが高まっていることを受け、製造・物流・小売業を対象に商品の在庫管理、受注から配送までの一連の流れ、フルフィルメントの今後の展望に焦点を当てた意識・実態調査「フルフィルメントに関する展望調査」の結果を発表した。

●主な調査結果
(1)オムニチャネルに対応した物流を運用している企業はわずか39%に留まる。
オムニチャネルに対応する業務運用に関して、回答者の1/3が取り寄せ注文の削減が最大の課題だと指摘。以下、在庫の割り当て、運送費が続いた。

(2)オンラインでの注文に店頭在庫で対応していると回答した小売業者は76%にのぼる。また、クリック&コレクト(オンラインで注文した商品を店頭で受け取る)が主流の配送方法になるとの回答は86%に達した。
小売業者はオンラインショッピングの発送センターとしての機能充実を図るべく、店舗のフルフィルメントセンター化に投資している。店舗内に商品の受け渡しや返品対応のスペースを確保するため、販売スペースは縮小傾向にあることが判明。

(3)消費者の迅速な配送ニーズに対応して、物流企業の39%は10年以内に2時間以内の配送を提供すると予想。
小売ブランドにとって時間重視の顧客のロイヤリティを高めるのは配送スピード。物流会社の78%が今後10年以内に当日配送を提供するだろうと回答している。

(4)商品の返品に関して受け取りや管理が課題だとの回答は全世界で87%を占める。
送料無料、かつ当日、即日配達が普及したことにより、返品数が増加。オムニチャネルに対応した複雑な購買モデルが存在する中で業務の効率化を図る必要があるため、コスト上の懸念が表面化している。このような流れの中で企業幹部の10人中7人が、より多くの小売業者が店舗を発送センターとして活用し、返品を受け付けるようになるとの見通しを示している。また、現時点において送料無料や返品無料、即日配送に対応していない小売業者のうち、過半数がこれらのサービスの提供を予定しており、うち44%が返品業務を他社に委託することを検討している。

(5)バーコードを導入している企業は72%に達する一方、未だペンと紙の手作業による非効率的なワークフローで物流を支えている企業が55%も存在。
オムニチャネル化実現のため、2021年までにバーコードスキャナを備えた携帯型モバイルコンピュータを導入するとの回答は94%を占めた。手作業からバーコードスキャナ、またはタブレット機能を備えた携帯型コンピュータに切り替えることで、倉庫管理システムへのよりリアルタイムなアクセスが可能となり、物流のオムニチャネル化改善につながる。

(6)RFIDテクノロジーおよび在庫管理プラットフォームは今後10年間で58%の成長が見込まれる。
RFID対応のソフトウェア、ハードウェア、タグ付けソリューションにより、商品ごとに最新の在庫検索が可能。また、品切れや過剰在庫、補充エラーが削減されることで在庫管理精度、および顧客満足度の向上が期待できる。

(7)未来志向の企業幹部は次世代のサプライチェーンについて、インターネットとの接続性があり、ビジネスインテリジェンス機能を持った、自動化されたソリューションになるとの見通しを示している。
サプライチェーンの高度化により輸送や業務のスピード、正確性、費用対効果が向上。企業幹部の39%は現状を打破する革新的なテクノロジーとしてドローンを挙げている。以下、無人/自律運転車(38%)、ウェアラブル/モバイル技術(37%)、ロボティクス(37%)が続いた。

●フルフィルメントに関する展望調査概要
調査企画:ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーション
調査実施:Qualtrics(米調査支援会社)
調査対象:製造、物流、小売業のオムニチャネルに関わる物流の計画、実行に関与する2,700人超の企業幹部
調査時期:2017年
調査地域:16か国(米国、カナダ、ブラジル、メキシコ、コロンビア、チリ、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、ロシア、スペイン、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)
調査項目:オムニチャネルへの対応の実態、スピード配送や再配達への課題意識、オムニチャネルに対応した店舗改革の方向性等

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