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北王流通の冷凍・冷蔵倉庫がヴォコレクトの音声ソリューションを採用

2013/01/29

1月24日、音声物流ソリューションを提供するヴォコレクトジャパン(株)は、関東エリアで食品物流事業を展開する北王流通(株)の浮島営業所内にある冷凍・冷蔵倉庫(神奈川県川崎市、敷地面積:3,000平方メートル)に同社の音声物流ソリューション「Vocollect VoiceR」が導入されたことを発表した。

これまで自動化やシステム化が困難であった冷凍・冷蔵倉庫内の出荷業務において、安全性、正確性を保持・向上させながら 同時に生産性30%向上を実現し、大幅に作業時間を短縮させて顧客満足度の向上に役立つとともに、同社の競争力強化に貢献している。

北王流通は昭和55年(1980年)の創業以来、東京都北区に本社を構え関東エリアにおいて、埼玉、千葉、神奈川に8つの営業所と4つ冷凍・冷蔵倉庫を有し、在庫管理、荷役作業、輸配送、物流コンサルティング、等といった物流サービスを展開。衛生管理や鮮度管理はもちろん小口単位、時間指定など様々な顧客ニーズに対応するため、24時間365日のオペレーションで1都6県をつなぐ自社配送システムを運用している。このほど音声物流ソリューション「Vocollect VoiceR」が導入された浮島営業所の冷凍・冷蔵倉庫では、およそ8,000種類の商品の在庫管理、入出庫作業、仕分け作業を行い、約500軒の最終顧客へ配送している。

これまで北王流通では、庫内作業の正確性を確保しながら生産性を高める手段として倉庫管理システム(WMS)を導入し、物流の「見える化」を推進するとともに、更なる効率化を図るためにデジタル・ピッキング(DPS)やデジタル・アソート(DAS)、ハンディターミナルなど様々な機器・装置を検討してきた。多くの最終顧客に商品をお届けするという業務の特性に向いているデジタル・アソートの設置が検討したが、仕分け作業以外の前後工程が従来のままではセンター全体を通じた出荷効率の向上までは改善が見込めないことや、これまで同社の競争力を支えてきた運用上のノウハウや、熟練者の思考や判断をシステム上に実装することは困難であり、庫内業務全体のレベルアップには十分ではなかった。そこで、ヴォコレクトのパートナーである積水樹脂キャップアイシステム社は、食品物流業への音声業務の適用に経験の深いケイ・アイ・エス・エス社と共に音声ソリューションを提案し、トライアルを実施。その結果、生産性の向上だけでなく、作業員のノウハウを活かした他工程での業務標準化においても効果が大きいことが実証され、顧客満足度の向上による同社の競争力強化に資することから導入が決定された。

浮島営業所内の冷凍・冷蔵倉庫では、2シフト体制で8名から12名ほどの作業員がピッキングと仕分け作業を行っている。音声ソリューション導入後、全体で約30時間~40時間の時間短縮が図られ、約30%の生産性向上が実現。作業精度においても立ち上げ当初目標である、99.97%(出荷15,000件に対して5件以下のエラーに相当)を大きく上回り、音声仕分け作業部分だけでみると99.99%以上の作業精度を実現した。また、「Vocollect VoiceR」の容易な操作性により作業者の業務習得にかかる時間が大幅に短縮され、これまでは約1か月かかっていた新人作業員の習熟期間が、音声業務適用後は1週間もすると作業者単独で業務を行うことが可能になった。さらに、これまで熟練者のノウハウに依存するところが多かった仕分け業務において、音声業務のシナリオに熟練者のノウハウを取り入れて作業標準化を図ることで、非熟練者を含めた作業員全体の底上げをすることができ、生産性30%向上という大きな成果を達成することが出来た。

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