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SGホールディングスグループ、新中期経営計画「Third Stage Plan」を策定

2013/04/01

3月27日、SGホールディングス(株)は、2013年度から2015年度までの3年間の中期経営計画である「Third Stage Plan」を策定し、発表した。同社グループの事業年度は3月21日から翌年3月20日。

純粋持株会社として2006年3月21日に設立された同社は2007年から2012年度においては、経営ビジョンを「それぞれの事業基盤を築き、新たな価値を創出する」とし、各事業会社それぞれの成長を促し、事業を遂行してきた。

2013年度から始まる中期経営計画「Third Stage Plan」においては、グループ力の発揮や他社とのアライアンス強化等を新たな成長エンジンと位置付けることとする。これに伴い、経営ビジョンを「グループ内外の経営資源活用と連携深化で新たな価値を創造し、経営基盤強化と永続的な成長を目指します」と変更、「シナジー、変革、そしてスピード」をテーマに事業を推進するという。

<Third Stage Planの概要>
基本方針
「Third Stage Plan」においては、従来からの、佐川急便の配送事業依存からの脱却による業務的多角化の方向感に加えて、海外事業を強化することで地理的多角化も指向して行く。
前中期経営計画「Second Stage Plan」の進捗検証、同社グループを取り巻く経営・社会環境等を踏まえ、事業領域の拡充と収益基盤強化のために必要な基本方針として、次の項目を掲げている。

(1)グループ収益力の極大化
佐川急便が有する膨大な情報や顧客基盤、事業インフラ・ノウハウをグループ会社にて最大活用し、シナジーを追求
ロジスティクス事業とデリバリー事業を融合、更には川上からの物流ニーズ捕捉によりデリバリー事業の収益性向上を図る

(2)事業領域拡充によるグループ総合力向上
ロジスティクス事業とその他の事業領域の成長・拡充に重点
それぞれの事業分野で業界3位以内の地位確立を目指し、国内外で積極的にアライアンスやM&Aを展開
グローバル・ネットワークの拡充や特定地域でのM&Aにより、海外事業・国際事業を強化、柱事業へと育成

(3)経営基盤の強化・高度化
資産流動化などを通じアセットをコントロールし、バランスシート経営を推進
流動化その他の手段等を通じ、資金調達を多様化
社会情勢や社内環境に合わせたBCP/BCMの再構築に着手するほか、社会インフラとしての責任を果たす
女性活躍推進「わくわくウィメンズプロジェクト」の充実により、収入の30%を女性が担う体制の確立

(4)ステークホルダー経営の本格導入
自社経営資源とその卓越性を社会に広く還元し、社会と企業双方の持続的な成長を目指す
CSV(Creating Shared Value)実現を重視した資源投下
ブランドポートフォリオ戦略展開により「SGブランド」を育成、認知・理解の向上を図る
デリバリーや3PLなど単体のイメージから脱却し、グローバル総合企業イメージの構築

■計数計画
「Third Stage Plan」の最終年度である2015年度には、M&Aや資産流動化などの効果も含め、グループ全体の営業収益は1兆1千億円、営業利益は530億円、営業利益率5%の目標を掲げている。なお、当該目標達成に向けて、当中期経営計画期間中の投資総額は2,600億円を計画している。

■事業セグメント別の事業展開計画
デリバリー事業
・通販市場の拡大等、市場ニーズに応じた態勢を引き続き強化。特に24時間電話集荷により、大都市間の当日配送ニーズに積極的に対応
・ロジスティクス事業との融合深化などにより、より川上からの業務受託による高収益体質への変革
・佐川急便の事業ドメインであるBtoBデリバリーの再強化
・佐川急便の配送力はもとより、SGムービング(旧佐川引越センター)のセッティングノウハウ、ワールドサプライの納品代行ノウハウを活用し、グループ力による館内物流業務の積極受託
・リコールや返品など静脈物流の積極受託。コールセンター業務から回収、保管、検品、不良品の廃棄、代替品の配送、在庫管理、返金業務までをグループの総合力で提供

ロジスティクス事業
・引き続き、第2の柱事業かつ物流ビジネスの起点として位置付け。(株)ハマキョウレックスとの資本・業務提携により事業競争力を強化、受託業種・品目を拡充(2013年1月31日に資本・業務提携に関する基本合意書を締結)
・海外ネットワークの強化を推し進め、国内外・3国間一貫物流ニーズへの対応力を強化

海外事業
・海外事業統括会社として、シンガポールにSGホールディングスグローバル(SGHG)を設立・本格稼働(3/21~)
・海外事業規模を3年間で5倍を目指して強化。海外事業におけるコアドメインをグローバル・フレイト・フォワーディング
(国際貨物)事業とし、ネットワーク構築と物量スケール確保のため、積極的にM&Aを展開 ・アジア等高成長が期待される特定地域においては、フレイト・フォワーディングをサポートするBtoBローカルデリバリーも選択的にM&Aを通じ強化

その他の事業
・車両整備事業では他社とのアライアンスにより特殊・特装車両など、整備事業領域の拡大。また自社ネットワーク拡充による車両整備能力増強を図る
・人材派遣事業においてはグループ内で蓄積したノウハウを活かし、物流事業領域の人材派遣事業分野の地位確立を図る
・不動産に関しては売却を前提に、優良物流施設の開発を継続。資産流動化を通じアセット・コントロールを図ると共に、資金調達の多様化の手段としても活用
・クリーンエネルギー供給(売電)事業に参入するなど、グループが保有する様々な既存資源の有効活用も推進
・(株)ハマキョウレックスのグループ各社とのシナジーも追求

組織図

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