(一社)日本物流団体連合会(物流連)は3月10日、千代田区の全日通霞が関ビル会議室において、令和7年度 第2回経営効率化委員会(委員長:ANAホールディングス㈱ 顧問 兼 ㈱ANA Cargo 取締役会長 外山俊明氏)を開催した。

同委員会は、物流業において経営上の課題となる問題について調査検討を行っており、労働生産性の向上、ダイバーシティ推進や危機管理等、テーマごとに適宜小委員会等を設置して調査を行うほか、国の施策について情報提供等を行うため設置しているもの。
第1部の講演会には、㈱エビングハウス・テクノロジー 代表取締役の宮里隆司氏を講師に招き、「物流企業はAI産業革命によって劇的に変貌する」と題した講演会を開催した。

講演では、最初に25年前に起きた株式売買業務のコンピューター化を例に挙げ、これと同様に、目まぐるしく進化し続けるAIエージェントによって、「人間時間(分・時間単位の判断)」から、AIエージェント同士による「機械時間(ミリ秒単位の判断)」への移行が現実的に始まり、物流業界においても、ほんの数年後には従来の業務プロセスが完全に変貌してしまうことについて、直近の自動運転技術や人型ロボットの動作の進化等の動画を交えながら詳しく解説された。
また、改正物流効率化法の施行により本年4月から特定事業者の国への定期報告等が義務化されること等から、荷主企業が物流事業者に対して荷待ち時間や荷役時間等の様々なデータの提供を求められることとなり、これに対応できない物流企業は生き残ることが難しくなるため、一刻も早くデータをデジタル化し、「機械時間」化に対応していくことが必要だと説明された。具体的には、①判断層(AIエージェントによる「自律的な脳」)、②実行層(自動運転・人型ロボット等による「物理的な手足」)、③最適化層(API等による「つなげる神経」)の3つで構成される「AI駆動三層アーキテクチャ」の構築が必須で、そのための物流企業のアクションロードマップも具体的に示された。最後に活発な質疑応答が行われ、講演会は盛況のうちに終了した。
引き続き行われた第2部の委員会では、「令和7年度 下期活動報告」として、
①障がい者活躍推進ワーキングチーム(ダイバーシティ推進) 最終報告書を公表
②施設見学会の実施
③「先進技術活用推進情報交換会」を新設、活動開始
④「2030年度に向けた総合物流施策大綱に関する検討会」等への参画
の4点の活動状況について事務局より報告した。

続いて「令和8年度 活動計画(案)」について、
①先進技術活用推進情報交換会の実施
②施設見学会の実施
③会員企業各社のAIの活用に関する意識調査等の実施
④「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」および「官民物流標準化懇談会」ならびにその分科会等への参画
の4点を実施していく案が事務局より示され、原案通り承認された。

