(一社)日本物流団体連合会(物流連)は2月12日、千代田区の全日通霞が関ビル8階会議室で第2回カーボンニュートラル情報交換会を開催した。

講演会の様子

同会合は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた国の方針や、物流業界を含む産業界の取り組みについて、有識者による講演と参加者同士の意見交換を通じて理解を深めることを目的としている。

今回は、(公財)日本海事センター 企画研究部 上席研究員の森本清二郎氏を講師に迎え、「外航海運における脱炭素化に向けた取組み」をテーマに講演を実施し、対面・オンラインで29名が参加した。

講師の森本清二郎氏

森本氏からは、外航海運分野における脱炭素化の動向について国際海事機関(IMO)における国際的な規制の枠組みや、船舶燃料の転換に伴う課題、国際的な脱炭素化の潮流等、幅広い視点から解説がなされた。

EUにおける排出量取引制度(EU ETS)や燃料の生産から消費までのライフサイクルで評価されるGHG強度の規制といった先進的な取り組み、さらにIMOが検討を進める中期対策「Net-Zero Framework(NZF)」の制度設計について、詳しい説明がなされ、バイオ燃料やアンモニア等の代替燃料については、海運以外の他セクターとの競合やコスト面の課題にも触れ、具体的なデータを交えて解説が行われた。加えて、EU・米国・中国・日本など主要国・地域における政策や規制の動向も紹介され、国際的な視野から今後の脱炭素化の展望が示された。

講演後の情報交換会では、「アメリカやEUの動向を踏まえ、将来的に日本が直面するScope 3(特に輸送分野の排出量の削減)の課題」をテーマに、参加者同士が意見を交わした。

議論の中では、現在、多くの荷主企業がまずScope 1・2の排出削減に注力しており、Scope3、特に輸送由来の排出削減には十分なリソースが割かれていないという意見があり、その背景には、Scope 3排出量の算定方法が未整備であり、可視化が難しいという課題があるとの指摘があった。

一方、物流業界は荷主企業のScope3における脱炭素戦略の中核を担う存在であり、今後の脱炭素社会の実現に向けて重要な役割を果たすことが期待されるとの認識も示された。また、EUのように規制が導入されれば、国内の取り組みも加速する可能性があるとの意見もあり、誰がその「旗振り役」となるのかという点についても、規制やインセンティブの必要性を含めて今後の論点として意見が交わされた。