(一社)日本スーパーマーケット協会(JSA)は1月1日、岩崎高治会長の2026年年頭所感を発表した。詳細は以下の通り。

●JSA2026年年頭所感
日本経済は長らく続いたデフレ経済からインフレ経済へと転換する歴史的な局面を迎えています。物価は上昇基調が続き、名目賃金も上昇しているものの、実質所得が物価を上回るには至っておらず、家計の購買力には地域や世帯間で差が残っています。一方、世界経済では、保護主義の台頭や関税強化、地政学的リスクの高まりから、供給網の混乱や資源価格の上昇も重なっており、成長見通しはいっそう不透明になっています。

こうした環境下、スーパーマーケット業界は深刻な人手不足とコスト高騰に直面しています。競争力の維持と事業成長のためには、賃上げによる人的投資や生産性向上に向けたシステムなどへの投資が必須となっています。同時に、物価高の中で高まる節約志向に対応する価格政策の強化や、差別化につながる付加価値商品の開発にも取り組んでいます。近年では、事業継承や新規事業獲得、規模拡大・効率化を目的としたM&Aも一段と進展しています。

日本スーパーマーケット協会では、人手不足の中で大きな問題となっている「パートタイマーの働き控え」について、2014年12月にスーパーマーケット3団体の連名で 「『年収の壁』に関する提言」を行いました。昨年、ようやく「年収の壁」が動き、所得税・住民税の課税最低額の引上げや社会保険加入における収入要件の撤廃などが実施されましたが、依然として多くの壁が残っており、「税と社会保険の一体改革」への取り組みは継続課題です。

物流分野においても、「SM物流研究会」への参加企業は24社まで増加し、荷待ち・荷役作業時間の大幅削減や、共同配送によるトラック台数削減を実現しました。一部企業では、生鮮商品やチルド商品の発注リードタイム延長にも取り組んでいます。

また、長年業界の懸案であった「非効率な商品情報の受け渡し」については、経済産業省主導の会議が実現し、メーカー様が登録した商品情報を、産業横断レジストリを通じて卸様や小売各社が共同で利用することで、「正確で」「効率的で」「豊富な」商品情報をお客様にお届けする仕組みづくりに向け、運用ルール、利用料金、協議会体制などの議論を進めています。

人口減少・少子高齢化が進む日本、そして急激に変化するグローバル環境の中で、私たち食品スーパーマーケットが今後も地域の食生活を支え、人々のいのちと暮らしを守るインフラ産業として持続的に事業を運営していくためには、これまで以上に小売業の声を1つにまとめ、協調領域の取り組みを推進し、魅力ある産業として発展していくことが重要です。

さらに、小売業のみならず、メーカー様・卸様を含めた製・配・販3層のサプライチェーン全体、関係省庁・国とも連携し、個別の業界だけでは実現できないデジタル化や生産性向上にも取り組んでまいります。

今後とも、皆様の変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

新しい1年が、皆様にとりまして良い年となりますことを心より祈念いたします。