ヤマトホールディングス㈱(ヤマトHD)は6月13日、「KURONEKO Innovation Fund 2号(KIF2号)」(運営者:グローバル・ブレイン㈱)を通じて、自動で魚の神経締め(※1)処理を行うロボットの開発や垂直統合型(※2)の水産事業を展開する米国Shinkei Systems corp.(シンケイ システムズ コーポレーション)に出資を実行したと発表した。

「Poseidon」で神経締めされた魚

Shinkeiは米国水産業の進化を目指すスタートアップ。このような社会課題を解決するため、船上での魚の神経締めを自動化したロボット「Poseidon(ポセイドン)」を開発した。さらに、漁師と協力し、漁獲から加工・卸売までを一貫して手がけている。Shinkeiの先進的な技術と垂直統合型のビジネスモデルによって実現した高品質な魚は、米国の一流レストランで提供されているだけでなく、漁師の業務効率化や、食品廃棄ロス削減への寄与が期待されている。

今回、KIF2号はShinkeiの技術開発の優位性や事業の成長性や業界のビジネスモデル構築に取り組む姿勢等を評価した。今回の出資を通じて、ヤマトグループとShinkeiが持つ技術と知見を相互に提供し、「新たな物流」「新たな価値」を創造していくとしている。

●出資先企業概要
企業名:Shinkei Systems Corp.
設立:2021年4月
本社所在地:California, United States
代表取締役:Saif Khawaja
事業内容:魚の鮮度を保つ商業用魚加工技術の開発と捕獲から加工・卸売までを一貫した垂直統合型の水産事業の展開
ホームページ:https://www.shinkei.systems/

※1:捕獲した魚の状態を新鮮に保つため、魚の神経を破壊して死後硬直を遅らせ、魚の臭みや腐敗を抑制する活締めの技術。
※2:製品の製造やサービス提供において、原材料の調達から販売までの一連のプロセスを自社で完結させるビジネスモデル。