トーヨーカネツ㈱は5月14日、同社グループの2025年度~2027年度3か年「グループ中期経営計画」を策定したと発表した。
また、計画策定に際してマテリアリティの見直しを以下の通り、行った。
●グループ中期経営計画(2025~2027年度)
(1)グループの基本方針
同社グループは、新中計を2030年に向けた長期戦略の第2フェーズと位置づけ、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」を経営理念とし、経営ビジョン「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決するソリューションイノベーター」を継続して掲げる。複雑化する経営環境や社会が直面する課題を、革新的・先駆的な技術やソリューションを以って解決することに取り組み、グループの持続的企業価値向上と社会の発展に寄与することを目指す。
(2)グループ経営戦略
前中計の最終年度において当初の損益計画は達成できなかったが、主力の物流ソリューション事業がグループ業績を牽引、また、プラント事業が安定的に収益を確保する体制を構築し、増収増益となった。
その結果を踏まえ、前中計の施策を継続しつつ、事業環境に合わせた新たなグループ経営戦略を進めていく。具体的には、「未来に向けた成長基盤の確立」を基本方針とし、①事業の成長(事業構造(ポートフォリオ)の再構築)、②生産性の向上(製品や業務の標準化、省人化の推進)、③人材力の強化(多様性の確保と積極的な育成投資)を3つの柱として取り組みをさらに強化していくとしている。
(3)事業別基本方針及び重点施策
各部門の基本方針・重点施策は以下の通り。
◆物流ソリューション事業
〔基本方針〕高成長企業への進化
●主力事業としての規模拡大 ●業務領域と顧客領域の拡大 ●サービス事業強化
〔重点施策〕
①新領域へのチャレンジ、拡大
②徹底した標準化の実現
③新技術の獲得
④組織能力のUP
◆プラント事業
〔基本方針〕安定収益確保
●メンテナンス需要の継続受注 ●新規案件取込みによる売上増 ●技術継承と人材確保
〔重点施策〕
①メンテナンス案件の継続受注及び新規取り込みによる安定収益確保
②人材確保と育成で技術力・施工力・動員力UP
③タンクメーカーの実績と知見を基にした活躍領域の拡大
◆みらい創生事業その他
〔基本方針〕環境事業確立への挑戦
●環境・防災領域の事業拡大(M&A含む) ●グループ会社のガバナンス強化(コーポレート)
〔重点施策〕
①事業の選択と集中を進め、環境・防災ソリューション事業を確立
②グループ一体運営によるグループシナジー・事業機会の創出
③効率的グループ・ガバナンスの構築
(4)目標とする経営指標
当中期経営計画期間の最終年度にあたる2027年度の連結業績目標として、売上高680億円、営業利益43億円、ROE8%の達成を目指し、「ACTION FOR THE FUTURE 期待を超える実行力で、未来を支えるチカラになる」のもとグループ一丸となって目標達成に取り組んでいくとしている。

●マテリアリティの見直し
同社グループは、社会課題解決を通じた持続的な成長を実現するため、新たな「マテリアリティ」を特定した。従来のマテリアリティを2019年に特定してから数年が経過し、同社グループの内部環境や外部環境も大きく変化しており、2025年度を初年度とする新中計の策定に際し、あらためて同社グループが優先的に取り組むべき経営上の重要事項を抽出した。
「企業としての経営基盤」「事業競争力強化に資する重要テーマ(事業伸長のための技術)」「事業を通じた社会課題解決に資する重要テーマ」の3つのカテゴリから構成し、8つのマテリアリティごとに具体的な施策(取組内容)と KPI を設定している。
毎年度評価を実施し、KPIや施策の進捗状況を、TKKレポート(統合報告書)等で開示していくとしている。

●トーヨーカネツグループ中期経営計画(詳細)
https://www.toyokanetsu.co.jp/pdf/TKK20250514-4.pdf