(一社)日本自動認識システム協会(JAISA)は1月1日、相良隆義代表理事会長による新年の挨拶を発表した。

●相良隆義代表理事会長の2025年年頭の挨拶

JAISA相良隆義代表理事会長

2025年 新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 皆様におかれましては、平素より当協会の事業活動に多大なご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 日本経済はコロナ禍以降、緩やかな景気回復が継続するなか、昨年は高い賃上げ率や100兆円を超える企業の設備投資など積極的な取り組みが報道される一方で、名目賃金が物価上昇に追い付かず個人消費の伸び率は力強さを欠いているように見受けられます。景気回復を支える好調な企業群のなかには輸出関連やインバウンド関連企業が多くあり、円安も影響して高収益を継続しているとされます。さらに、DXを促進し、効率化・省力化・省資源化を実践する企業も好調な要因の1つと言えるでしょう。ある企業調査の中には、<省力化投資を実施している、過去より増加させている企業は、そうでない企業よりも労働生産性が高い。省力化投資は人手不足を生き抜く企業の有効なツールである>ことが示されています。本年は、人手不足に起因する成長制約に対し、省力化投資や労働移動のさらなる実践が課題となりましょう。

 当協会調査による自動認識関連機器、ソフトウェアの出荷金額は、コロナ禍で2020年にマイナス成長を記録して以降、バーコードリーダ、バーコードプリンタ、RFID、ソフトウェア、サプライ(シール・ラベル・タグ等) など各分野で順調に出荷実績を伸ばし成長して来ました。今後は、RFID活用分野のさらなる拡大に加え、生体認証(バイオメトリクス)や画像認識の分野がAIなど新技術を組み込んでさらに成長し、省力化投資を促進することが期待されます。

 当協会では毎年、自動認識システム大賞を開催して社会的に優れた自動認識システムの事例を広く募集、表彰しております。昨年の第26回自動認識システム大賞の受賞作品(事例)は、大賞、優秀賞をはじめ、全10作品の入賞作品のうち、画像認識を基礎技術とする事例が7割を占めました(画像認識+AIを含む)。また、一昨年の大賞受賞作品は世界No1の認証精度(誤認証率100億分の1以下)が認められた生体認証システムでした。このような実績からも、自動認識システムは我々の生活や企業の製品・サービスに深く関わり、豊かな暮らしを支える基盤となる技術であります。

 当協会は、本年も自動認識市場の拡大と活性化に向け、デジタル人材の育成はじめ展示会の開催、研究開発センターの活動をさらに充実させ、会員企業の皆様とともに総合的な自動認識技術の活用促進をより広範囲に進めてまいります。そして、業界関連団体や関連省庁との連携をはかり、経済の発展に貢献してまいります。

 2025年が皆様に実り多き年でありますよう、そして、皆様のご発展を祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。