ヤマトホールディングス㈱(ヤマトHD)は11月5日、同日開催の取締役会で㈱ナカノ商会の株式を取得することを決議したと発表した。これにより、ヤマトHDはナカノ商会の発行済株式の87.7%を保有し、連結子会社化する予定としている。

ヤマトグループは2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」において、基盤領域(エクスプレス事業(EXP事業))の利益成長に向けた収益拡大および、宅急便ネットワークの強靭化、成長領域(コントラクト・ロジスティクス事業(CL事業)、グローバル事業)の拡大による事業ポートフォリオの変革に取り組んでいる。

一方、ナカノ商会は保管・庫内作業・輸送サービスに加えて、顧客仕様に再構築した物流施設のサブリース等、顧客ニーズに合わせた複数の機能を一貫して提供することで、小売事業者や食品等のメーカー・サプライヤー、EC事業者の上流の物流領域を中心に法人顧客を有している。

今回、ナカノ商会がヤマトグループに加わることで、①CL事業の拡大、②EXP事業とのシナジー創出、③両社リソースの共同利用等コストシナジー創出(CL・EXP事業)等を通じて、法人ビジネス領域を拡大するため、今回の株式取得の決定に至ったと説明している。

●異動する子会社の概要
名称:㈱ナカノ商会
所在地:東京都江戸川区中葛西3-18-5
代表者の役職・氏名 代表取締役社長 沼澤宏氏
事業内容:コントラクト・ロジスティクス事業等
資本金:1億円
設立年月日:1988年8月16日
大株主及び持株比率:沼澤宏81.6%、㈱N.Sサポート18.4%
上場企業と当該会社との間の関係
・資本関係:該当事項なし
・人的関係:該当事項なし
・取引関係:ヤマトHD連結子会社のヤマト運輸㈱との間にEC荷物の仕分け業務の委託等の取引関係あり。
当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態
決算期:2021年9月期/2022年9月期/2023年9月期
純資産:40億2,900万円/60億2,800万円/89億1,900万円
総資産:286億8,900万円/327億8,100万円/343億2,000万円
1株当たり純資産:617.03円/923.14円/575.80円
売上高:612億4,100万円/763億2,900万円/867億7,000万円
営業利益:9億6,600万円/35億8,700万円/46億5,200万円
経常利益:16億5,500万円/35億5,300万円/46億7,100万円
当期純利益:8億7,200万円/21億9,900万円/32億500万円
1株当たり当期純利益:133.60円/336.80円/206.94円
1株当たり配当金:30円/50円/40円

●株式取得の相手先の概要
氏名:沼澤宏氏
住所:千葉県市川市
上場会社と当該個人の関係:資本関係、人的関係、取引関係及び関連当事者への該当事項なし

●取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
異動前の所有株式数:0株(議決権の数:0個)(議決権所有割合:0%)
取得株式数:株式譲受及び第三者割当増資の引受合計2,036万5,960株(議決権の数:2,036万5,960個)
取得価額:株式譲受及び第三者割当増資の払込合計469億4,300万円
異動後の所有株式数:2,036万5,960株(議決権の数:2,036万5,960個)(議決権所有割合:87.7%)

●日程
取締役会決議日:2024年11月5日
契約締結日:2024年11月5日
株式取得実行日:2024年12月1日(予定)

●今後の見通し
ナカノ商会のヤマトHD連結業績への影響は2025年3月期第4四半期からとなる見込み。今期連結業績に与える影響は軽微としている。