NIPPON EXPRESSホールディングス㈱(NXHD)は10月7日、NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として、AIとロボットを活用したスマート農業パッケージを販売するAGRIST㈱(アグリスト)に出資し、9月30日に資本業務提携契約を締結したことを明らかにした。

AGRISTはテクノロジーで農業課題を解決するスタートアップ企業。現在日本の農業従事者の平均年齢は68歳となっており、高齢化と人手不足による農業課題において早急な対策が求められている。AGRISTは収穫ロボットやソフトウェアの開発によるテクノロジーを活用した次世代農業を実現することで、それらの農業課題や世界の食料問題の解決、世界のウェルビーイングに貢献している。

●出資の背景と目的
NXHDは、現在の食料生産と消費のあり方には地球環境と食料安全保障を脅かす多くの課題があり、気候変動の影響に適応し82億人を超える人口を養うには世界の農業食料システムにおける食料生産、流通、消費の方法を見直す必要があるほか、日本では農業の高齢化と労働力不足が深刻な問題となっており、食料自給率の低下も懸念されていると指摘。NXグループは長期ビジョン「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」の実現に向け、企業価値の向上と社会課題の解決に取り組んでいる。今回、生産から流通、加工、販売に至るまでの各段階でデジタル技術を活用し、スマート農業を推進するAGRISTに出資することで、世界と日本における農業食料システムの課題解決に取り組むとしている。

●取り組み内容
①NXアグリグロウとの価値共創
山梨県北杜市で、パクチーやほうれん草等の葉物野菜を中心とした農作物の生産を行っているNXアグリグロウの農場で、AGRISTのAIを活用した環境制御技術に基づくスマート農業DXを実践し、さらなる生産性向上を目指す。

②日本の地方自治体との農業にかかわる共同実証
北海道や九州等、日本各地の地方自治体と連携し、農業に関する共同実証プロジェクトに取り組む。DXを活用した収量予測に基づく物流効率化や最適な出荷先の選定等、スマート農業時代におけるロジスティクスサービスのあり方を検証する。

③海外における農業食料システムのイノベーション
AGRISTは今後、米国、中国、インド、アフリカ等への事業展開を予定している。自動収穫ロボットの輸出や、海外現地における物流・流通においてNXグループのグローバルネットワークを活用し、世界の農業課題の解決にむけ共創していく。

●出資先概要
会社名:AGRIST㈱
本社所在地:宮崎県児湯郡新富町富田東1丁目47番地1(新富アグリバレー内)
設立年月日:2019年10月24日
代表者:齋藤潤一
従業員数:35名
事業内容:AI農業(AIを活用した農業用ソフトウェアの開発)、農業ロボット(AIを活用した自動収穫ロボットの開発)、スマート農業(スマート農業パッケージの販売)
ホームページ:https://agrist.com/