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乾汽船、イヌイ倉庫との合併

2014/05/12

乾汽船(株)とイヌイ倉庫(株)は、両社の経営を統合することを発表した。本合併に伴い、イヌイ倉庫が存続会社となり、商号は乾汽船に変更することを予定している。

乾汽船及びイヌイ倉庫は、それぞれ海運と倉庫という領域で事業活動を行ってきたが、昨今、これらの運輸や物流を取り巻く事業は、生産から消費までの物の流れを全体最適化させようとする「ロジスティクス」という考えに包含されつつある。加えて、日本企業の市場は国外にも広がり、国際交易は、ますます盛んになろうとしている。このような事業環境の変化は、両社の経営に変化や対応の必要を感じさせるようになってきた。

昨秋より、両社にて進めてきた事業関係強化の会合を通じ、経営における規模の経済性や、より安定した財務基盤を求めると同時に、さらなる進化が求められる「ロジスティクス」の分野に、海運と倉庫というサービスを相互に活用する事業展開を目論んでいこうとの合意に至った。

その結果、創業の祖を同一とする両社の歴史も踏まえ、経営統合を行うことが、最良の策であると判断したという。

両社は、「事業の伸長」、「経営基盤の強化」、「運営の効率化」という3つの視点に基づき、統合効果を発現すべく、本経営統合を進めていくとしている。

(1) 事業の伸長
海運、倉庫という専業に捉われず、顧客物流の全体最適化を志向することで事業の領域を広げていく。先ずは、海運業と倉庫業の実務者である両社の経験を軸に、国際交易における物流情報を体系化し管理するサービスを構築することから始めていく。

(2) 経営基盤の強化
両社の既存事業である、外航海運業、倉庫業、施設賃貸業の異なる事業周期が組み合わさることで、環境の変化に強い経営基盤の構築が可能となる。各々の投資期間の違いによる波動及び、為替の変動リスクにも強みを持ち安定力を増す財務基盤の中で、効率的なファイナンスを実践していく。また、両社の様々なステークホルダーを経営の重要な資源と位置付け、一層のご愛顧を賜ることで新たな価値提供の機会とするべく、既存業務に邁進していく。

(3) 運営の効率化
本経営統合後、速やかにコーポレート部門の統合を進めて運営を効率化していく。また、その余力をもって、事業伸長を担う新しい物流サービスを立ち上げるなど、人員の再配分も進めていく。同時に、本社機能を、自社所有施設に統合することで、速やかなコーポレート機能の一元化を図っていく。

これらの施策を着実に実行することにより、経営統合の効果を早期に実現するとともに、収益力の一層の向上と、強固な財務基盤構築に邁進し、企業価値の最大化を図り、本経営統合が株主や、資本市場からより高い評価を得られるように努力していくとしている。

なお、合併による統合会社「乾汽船株式会社」の代表取締役、取締役及び監査役については下記の通り(10月1日付予定)。

乾康之 代表取締役社長(旧 イヌイ倉庫(株)代表取締役社長)
乾隆志 取締役(旧 乾汽船(株)取締役)
湯浅和夫 取締役(旧 イヌイ倉庫(株)社外取締役)
苦瀬博仁 取締役(旧 イヌイ倉庫(株)社外取締役)
川﨑清隆 取締役(旧 弁護士法人御堂筋法律事務所社員)
控井達夫 監査役(旧 イヌイ倉庫(株)常勤監査役)
田中正人 監査役(旧 イヌイ倉庫(株)社外監査役)
高橋幸一郎 監査役(旧 乾汽船(株)常勤(社外)監査役)

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