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ヤフー、ブックオフと資本・業務提携

2014/04/24

ヤフー(株)とブックオフコーポレーション(株)(以下、ブックオフ)は、資本・業務提携契約の締結を行ったことを発表した。同提携により、日本最大級の中古本販売チェーン「BOOKOFF」のチェーン全店で買い取ったモノを、日本最大級のインターネットオークションサイト「ヤフオク!」で販売する仕組みを構築することで“リユース革命”を起こし、現在40%程度にとどまっているリユース経験者を将来的に100%にすることを目指していくとしている。

同社は、1999年に「Yahoo!オークション」(※2013年3月に「ヤフオク!」に改名)を開始して以来、日本最大級のインターネットオークションサイトとして業界を牽引し、わが国にインターネットの「中古市場」という新たな市場を創出した。最近では、「ヤフオク!」の運営を通じて、“いつでも、どこでも、すべての人にリユースするワクワクを”のスローガンのもと、「つくる→買う→リユース」という循環型社会の構築にも積極的に取り組んでいる。

ブックオフは、1990年に神奈川県相模原市に中古書店「BOOKOFF」1号店をオープン、リアルの「中古市場」のパイオニア的存在として、現在ではフランチャイズ含め各種リユース業態を全国に約1,000店舗展開している。事業ミッションとして“捨てない人のブックオフ”を掲げ、“モノを捨てたくない人が、捨てない生活をするためのインフラになること”を目指し、中古本・CD・ゲームに限らず、アパレルやスポーツ用品・ベビー用品・雑貨・携帯電話など、様々なモノの買取や販売を行っている。

両社は昨年7月よりすでに協働し、「福岡 ヤフオク!ドーム」において不要な洋服などを引き取って「ヤフオク!」と「BOOKOFF SUPER BAZAAR(リユースの大型複合店)」の店頭で販売するという取り組みを始めているが、このたび、さらに両社の連携を強化することで新たな可能性を追求し、その結果リユースが“あたりまえ”となるような世界をつくるべく、業務提携契約を締結するとともに、同社からブックオフへ出資する資本提携を実施する。

(1)「ヤフオク!」が「BOOKOFF」チェーン全店のマーケットプレイスに
「BOOKOFF」で買い取ったモノを「ヤフオク!」でも販売することで、“買うことをもっと身近に”。まずは、中古本の出品数1,000万冊を目標に。

「BOOKOFF」チェーンは、全国に約1,000店規模の実店舗を保有し、リアルリユースの市場では日本最大級だ。現在、「本を売るならブックオフ~」というブランドの確立に成功し、「安心して売れる身近な場所」として買取では顧客に圧倒的な支持を得ているが、一方で販売面では商圏に限界があるなど、売れ残りの課題を抱えている。そこで、より販路を拡大するために、このたび同社と資本・業務提携し、「BOOKOFF」店舗で買い取ったモノを「ヤフオク!」上でも販売する取り組みを始める。これにより「ヤフオク!」を通じて、いつでもどこでも「BOOKOFF」の商品が手に入るようになる。

まずは、「BOOKOFF」店舗にある中古本の販売を「ヤフオク!」上でも展開する。現在「ヤフオク!」では約200万冊の中古本の取り扱いがあるが、2016年度までにこの5倍となる1,000万冊を目指す。これにより、「ヤフオク!」上の中古本の品揃えはインターネットサイトとしては日本最大級となり、中古本の購入がもっと身近になる。また、CDやDVD・ゲームソフトなど中古本以外の商品についても、「ヤフオク!」で販売していくという。

(2)「BOOKOFF」チェーン全店が「ヤフオク!」のリアル拠点に
“売ることをもっと身近に”「BOOKOFF」店舗で総合買取受付窓口を設置する。

ネットリユース市場で日本最大級の規模を誇る「ヤフオク!」にも、いくつかの課題がある。そのひとつに、インターネットへの出品作業、落札後の梱包・発送などを非常に手間だと感じる人がまだまだ多いことがある。ユーザーのこの課題を解決し、今後さらに多くの人がリユース活動に参加し、市場を活性化させるためには、新たな施策を打つことが必要と考えた。

「BOOKOFF」は、実店舗へ気軽に売りに行けるという利便性があり、またその場で買取をしてもらえるため、売り手の負担を小さくしているのが特徴だ。同社は、全国にリアルの拠点を持つブックオフと協業し、出品に関する手間などの課題を解決しながら多数のリユース商品を「ヤフオク!」に流通させることで、一気にリユース市場を拡大すべく、このたびの資本・業務提携に踏み切った。

具体的な取り組みとしては、「BOOKOFF」店舗内に「総合買取受付窓口」を今年7月に設置する予定。これまで「BOOKOFF」では、店舗で販売している中古本・CD・ゲームソフト・携帯電話等の買取のみを行っていたが(リユースの大型複合店「BOOKOFF SUPER BAZAAR」や中型複合店「BOOKOFF PLUS」は除く)、このサービスを通じてホビー・アパレル・ブランド品・雑貨など買取品のラインナップを拡大することで、顧客の利便性の向上を図る。買取した商品は「ヤフオク!」に出品することで、品揃えのさらなる拡充を図ることができる。

この取り組みと併せて、昨年から始めた携帯電話の買取もさらに強化する。現在「BOOKOFF」チェーン全体では、年間約15万台の携帯電話の買取を行っているが、常時100万台を目指す。こちらも「ヤフオク!」での販売を進めていく予定。

(3)日本最大級のリユースセンターを開設(予定)
今回の取り組みを実現するためには、大量のリユース商品を「ヤフオク!」に出品するための物流施設が欠かせない。そのため、同社とブックオフでは、2015年度中を目処に、日本最大級となるリユースセンターを開設する予定だ。「BOOKOFF」店舗で買い取られ、「ヤフオク!」で販売される商品の一部をこちらのセンターに集約することで、リアルから「ヤフオク!」を通じてリユースできる仕組みを長期安定的に支えていく。

また、将来的にはフルフィルメントサービスやリユース市場のBtoBマーケットプレイスとしての活用など、日本の中古市場の新たな可能性を模索していくという。

同社とブックオフは、ネットとリアルそれぞれの強みを活かし、リユースしやすい環境づくりを協力して推進していくことで、リユースの市場をさらに大きくし、リユース経験者100%の世界を構築することを目指していくとしている。

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