2013/03/05

日本物流団体連合会（物流連）と日本ロジスティクスシステム協会（JILS）は国土交通省、経済産業省の後援のもと、2月20日(水)にスズエベイディアム3階会議室（JILS本部）において「企業間連携で進める物流効率化研究会」を開催した。 

研究会には40名（定員40名）が参加し、グリーン物流パートナーシップ会議の事例集から2 件、主催する両団体の表彰案件から2件、計4件の事例発表が行われた。 

プログラムは以下の通り。

(1)エプソン販売社とキヤノンマーケティングジャパン社商品の共同配送について 

（日本物流団体連合会 第12回物流環境特別賞）

日本通運　営業第二部 次長　越田義昭氏

同社の共同配送の取り組みは段階的進展を遂げており、それぞれの段階を＜第1ステップ＞家電量販向け共同配送【共配】、＜第2ステップ＞エリア共同配送【共配】、＜第3ステップ＞配送センターの共同化の3つに分け、ポイントを説明した。

これまでの取組みや成果に加え、現在進展中の取り組みや今後の展開について述べられた。1社だけの効率化への取り組みは限界があり、物流の共同化は効果的。企業間の連携は荷主だけの連携ではなく、その仲介となる物流事業者との一体感が必要である。特に、それぞれが自社の部分最適を追求するのではなく、共同化による全社・全体最適を目指すことが前提であり、常に「一方が他方に合わせる」という協力姿勢が重要と述べた。

(2)企業間連携による一貫循環リサイクルの構築について～車内吊り広告はトイレットペーパーに～

（JILS 2012 年度ロジスティクス大賞環境賞）

ジェイアール西日本マルニックス　取締役 物流ソリューション事業部長　富平修司氏

顧客から要望のあった「価格・品質の安定したトイレットペーパーの供給」、「関連業務から発生した古紙の活用」、「地球環境改善の一助となる総合的な仕組みの構築」といった課題に対応するべく関連する企業と調整を行い、事業で発生した古紙をトイレットペーパーにリサイクルするまでの一貫循環リサイクルの仕組みを構築した。

営業エリアごとに仕組みを構築し、同様の仕組みを他エリアへも拡大している。関係各社とのWIN-WIN構築のための利益配分等に留意することが重要と述べた。

(3)当社が取り組む館内物流管理と今後の推進～地域社会の安心・安全、そして環境配慮の為に～

（グリーン物流パートナーシップ会議事例集掲載）

佐川急便　東日本支社業務管理部 営業開発担当部長　有泉丈氏

佐川急便では、施設周辺への配慮及び集配業務の円滑化、付加価値機能の提供による利便性の向上と効率化によるコスト削減を実現するため館内物流を推進。今後は、東京ミッドタウンやソラマチ等全国70か所あまりで館内物流を行う中で蓄積された実績データをもとに、施設の設計、施工、建設段階から参画、地域社会に対して安心安全を提供するとともに、施設オーナー、テナント等による施設の円滑な運営を支援していきたいと話す。

(4)コープネットの環境の取組み～流通小売にリバースチェーンを組み込んだ動静脈物流 ほか～

（グリーン物流パートナーシップ会議事例集掲載） 

コープネット事業連合　総合企画 環境政策グループ グループ長　齊藤勉氏

リサイクルの取り組みに物流、特に配送トラックの戻り便をどう活用するかということからスタートし、流通小売にリバースチェーンを組み込んだ動静脈一貫物流を構築した。資源の有効活用ができる上、配送の戻り便で資源有価物を回収することでコスト削減につながった。また、それまで各店舗がそれぞれ別々に行っていた廃棄物の引き取りを、エコセンター集中方式としたことでトラック等から発生するCO2の削減に大きく貢献した。