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物流連、モーダルシフト促進に関するアピールを国交省に提出

2014/03/27

(一社)日本物流団体連合会は、3月26日にモーダルシフト促進に関するアピールを国土交通省加藤物流審議官に提出した。

このアピールは昨年後半以降、トラック等の運転手不足が顕在化しており、環境対策に加えて労働力不足対策の面からも、大量輸送機関の活用が急務であることから、同会自らその促進に努力することを明らかにするとともに、荷主やトラック、鉄道、海運などの事業者、さらに行政に対して対応の促進を呼びかけるものである。

また、3月25日に行われた第70回理事会で承認された平成26年度事業計画では、国土交通省と連携して「実効性のあるモーダルシフトの推進」を行うことを同会の重点的課題のひとつとして位置づけている。


<アピールの全文>

平成26年3月27日

モーダルシフト促進に関するアピール 

一般社団法人日本物流団体連合会
会長 川合正矩

地球規模での環境制約が強く認識される中、物流部門でも、環境負荷を低減させていくことが重要な課題です。そのための一つの方策として、物流業界では、船舶、鉄道といった二酸化炭素排出原単位の小さい輸送手段への転換を図るモーダルシフトの推進に、官民連携して取り組んできました。世界的な規模で見ると人口が増加し、経済発展が進む中、環境問題はさらに深刻の度を強めており、国際的な取り組みの強化が必要とされています。更に、我が国のエネルギーをめぐる厳しい状況から、エネルギー価格が高騰しており、省エネルギーの必要性が強まっています。

他方、少子高齢化が進展し、若手の労働力が減少傾向にあり、同時に、景気の回復に伴い、トラックなどの運転手の不足が顕著になってきています。昨年暮れから続いてきた状況は、消費税率の上昇を控えたこの年度末に、さらに深刻の度を強めています。この労働力不足の状況は、季節的な要因による一時的なものにとどまらず、より長期的な課題としてとらえる必要があります。

このような状況を踏まえると、物流を将来にわたって持続可能なものとするために、環境負荷の低減のみならず、省エネルギーを進め、労働効率を向上させる観点から、モーダルシフトを促す努力はさらに強めなければなりません。

物流連は、物流界が広く結集する団体として、自らモーダルシフトの推進に努力するとともに、広く国民に対し、とりわけ荷主、物流事業者、関係行政機関に対して、この問題についての理解を求め、下記のことを訴えます。

1、適正なコストを反映した公正な条件の下で、輸送手段が適正に選択されるようにしなければならないこと
2、荷主に近い立場にあるトラック事業者は、利用運送を活用して大量輸送手段を確保するなどして、トラックドライバーの業務の重点化を図りつつ、輸送力を確保することが必要であること
3、鉄道事業者は、需要に対応して輸送力の整備を行うとともに、安定性の高い輸送サービスの提供を行うこと
4、海運事業者は、船舶の更新などにより輸送力の近代化に努めつつ、コンテナ船、フェリー、RORO船などによる雑貨輸送への対応を進めること
5、行政においては、地球温暖化対策税などの財源を活用し、モーダルシフト推進のために行われる設備の改善やさまざまな対策を支援していく施策を充実すること

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