大日本印刷㈱(DNP)は9月22日、同社グループの㈱DNPデータテクノが8月にシールやラベル等の使用済み剥離紙の資源循環を普及・促進する(一社)ラベル循環協会(J-ECOL:Japan-Earth Conscious Labeling Association※1)に加盟したことを明らかにした。
シールやラベル等は、各種製品等の“モノ”に“情報”を加える手段の1つとして、人々の生活や企業等の事業活動で重要な役割を果たす一方、環境負荷の面では粘着部分を保護する用紙(剥離紙)がシールやラベルの使用後に不要となるほか、剥がしやすくする材料が塗られているため、現状では製紙原料として使いにくく、その多くが再生資源として有効利用できていない状況とした。DNPはJ-ECOLへの加盟等を通じて、循環型経済への移行に向けて資源としての有効活用につながる、より安価で便利なシール・ラベルの展開等を推進し、環境負荷低減に貢献していくとしている。
●J-ECOLの概要と主な活動内容
製品のバリューチェーン(原材料調達・製造・販売・使用・廃棄・回収等)に関わる全企業が一体となった資源循環モデルの構築に向けて、企業の枠を越えて取り組む。例えば、使用済み剥離紙の提供企業をエンドユーザーとして、リサイクル企業との仲介を行うことで資源循環を支援するほか、複数の分科会活動も推進する。普及分科会で加盟企業と共に剥離紙の資源化を進めるほか、技術分科会で再生しやすい剥離紙の検討、剥離紙から取り出す再生パルプの活用提案、使用済み剥離紙から再び剥離紙を作る水平リサイクルの検討等を行う。
◎主な活動内容
(1)使用済み剥離紙の再生資源化の普及・促進
・分別ガイドラインの策定
・会員企業による分別周知活動
・使用済み剥離紙リサイクルの相談受付
・リサイクル企業とラベルユーザー企業のマッチング等
(2)リサイクル技術の確立支援
・再生しやすい剥離紙の設計、再生を促すための補助等
(3)リサイクル状況の可視化・情報発信
・シールやラベル等に関する環境負荷の可視化
・普及・促進活動の進捗等に関する情報発信等
●環境負荷の低減等に向けたDNPの取り組みについて
DNPは常に事業活動と地球環境の共生を考え、環境問題への対応を重要な経営課題の1つに位置付けている。2020年3月には「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定。「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させている。その一環としてDNPはCO2排出量を抑えた環境配慮型の「ラベル伝票」(※2)を開発し、2023年8月に発表している。DNPは引き続き、持続可能なより良い社会、より心豊かな暮らしの実現に向けて環境負荷の低減に向けた活動を推進していくとしている。
※1:J-ECOL Webサイト:https://www.j-ecol.or.jp/ 会員一覧:https://www.j-ecol.or.jp/aboutus
※2:環境配慮型「ラベル伝票」を宅配・通信販売・物流業者に提供開始
https://www.dnp.co.jp/news/detail/20169584_1587.html