日本GLP㈱は3月31日、GLPが物流不動産、データセンター(DC)、再生可能エネルギーおよび関連技術の各事業における2022年の業績が好調と発表した。

主なハイライトは以下の通り。
・物流施設においては、延床面積が8,300万㎡に拡大、前年同期比10%増加。新規契約は前年同期比12%増の2,700万㎡を締結。冷凍冷蔵物流をグローバルで延床面積300万㎡以上に拡大。

・データセンター事業において、中国では最大のBTS型データセンターを完成させ、日本では約600MW分の電力を確保。

・再生可能エネルギー事業では、容量を前年同期比68%増の700MWに増加。

・ESGでは150以上のグリーンビルディングおよびエネルギー認証をポートフォリオに追加。

GLPは、2022年の物流不動産のファンダメンタルズは、グローバルなサプライチェーンの変化や各国内消費の拡大、主要市場における供給不足を背景に、先進的な物流施設に対する需要が増加し、引き続き堅調に推移しているとしている。

同社は2022年、延床面積300万㎡を竣工し、340万㎡[※1]の着工、物流施設の延床面積を8,300万㎡に拡大。全世界で新規契約は前年比12%増の2,700万㎡を締結し、GLPグループ全体での稼働率は約92%だったとしている。

また、冷凍冷蔵物流施設事業の拡大を通じて、物流サプライチェーンのエコシステムの開発・構築を継続。冷凍冷蔵物流市場は、医薬品、化学品、食品、飲料分野での使用・賞味期限の長期化や、温度管理された物流に対する需要の急増に伴い成長が見込まれている。2022年において、アジア、欧州、米州のマーケットでGLPは延床面積300万㎡以上の冷凍冷蔵物流スペースを提供しており、このセクターへの投資機会を引き続き見出していくとしている。

GLPはグローバルなカスタマー基盤の拡大を続け、カスタマーと連携して新規市場への参入と成長に伴う国境を越えた事業拡張を支援している。GLPの総賃貸可能面積の約21%は、複数の国でGLPの施設を利用するグローバルなカスタマーに賃貸されており、電子商取引や速達サービスなど国際的な成長に対する強い需要に支えられている。GLPの先進的物流施設と付加価値の高いプロパティマネジメントサービスは、リピートカスタマーを惹きつけ、着実に契約へと結びついている。

一方、同社は現在、中国の大手独立系データセンター事業者の1社で、完成時には約1,400MWのデータセンターキャパシティを提供する資産を有しているほか、昨年、中国国内の大手インターネット企業向けに中国最大のBTS型データセンターを受注した。業界の持続的な成長を支援するため、中国におけるGLPの新規データセンターはすべて、GB-A/T3+規格[※2]とODCC認証[※3]を満たすように建設されている。

2022年、GLPは日本のデータセンター市場に参入する計画を発表し、今後5年間で120億ドル以上を投資して900MWのデータセンターキャパシティを達成することを目標としている。GLPはその後、日本、ロンドン、ブラジルにおいて優れた立地にある7つのプロジェトを進めており、その中には日本の首都圏と関西圏で将来的に約600MWのデータセンターキャパシティを提供できる優良用地の確保が含まれている。2023年に首都圏で日本初のデータセンターキャンパスの着工を予定しており、2024年にサービス開始が予定されている。

2022年 12月時点で、GLPはアジア、欧州、米州のGLPおよび第三者の物件に設置されたオンサイトのソーラーパネルによる容量が700MWに達し、前年比68%増となった。中国での事業拡大により、年内には1GW以上の再生可能エネルギー容量に達成する見込みとしている。

また、2020年、世界有数のバッテリープロバイダーであり、電気自動車(EV)用バッテリの最大手Contemporary Amperex Technology Ltd.(CATL)との合弁事業を開始した。物流・輸配送における持続可能性を高めるためサービスとしてのエネルギーを提供する事業モデルを通じて、新エネルギー利用の拡大を目指す新しいプラットフォームを構築している。2022年、GCTL[※4]は大型車向けバッテリ交換ステーションを5か所展開し、さらに15か所のステーションを準備中で、各ステーションは1日あたり150台以上の車両にサービスを提供している。

※1:約36億ドル

※2:GuoBiao(GB)規格は、中国が様々な製品やサービスに対して発行する仕様の国家規格の中で最も高い分類。Tier 3(T3)データセンターは、電源と冷却のための複数の経路を持ち、オフラインにすることなく更新・保守できるシステムを備えている。99.982%(年間1.6時間のダウンタイム)の稼働率が期待できる。

※3:オープンデータセンター委員会(ODCC)は、中国におけるオープンデータセンターのプラットフォームを構築し、業界の発展、加速化、標準化を促進することを目的として、データセンター業界の主要プレーヤーによって結成されている。

※4:物流や輸送におけるクリーンエネルギーの利用を拡大するため、世界有数のバッテリプロバイダーでありEV(電気自動車)向け車載電池で世界最大手の中国の寧徳時代新能源科技(Contemporary Amperex Technology Ltd.:CATL)との合弁会社。新エネルギー利用の拡大、商業施設向けのスマートエネルギーシステムの構築、物流施設への再生可能エネルギーの提供、屋根上に設置する太陽光発電設備のエネルギー貯蔵能力の拡大等、様々な機会を模索するほか、物流における持続可能性に取り組むため、物流に活用できる自動運転の検証を予定している。