㈱椿本チエインは2月14日、福井県三方郡美浜町に人工光型の大型植物工場を建設すると発表した。2025年5月に事業を開始する予定。

同社が手がけた植物工場の自動化システム

農業就労人口の減少、異常気象の恒常化等を背景に、安全で高品質な野菜の安定供給へのニーズが年々高まっており、同社は機械部品から搬送システムまで幅広い事業で培った自動化技術を生かし、2014年からアグリビジネスを本格展開。苗の移植機、野菜昇降機など植物工場向け自動化システムを開発し、多くの植物工場で採用されてきた。今回、コンビニ、中食・外食市場での植物工場野菜への需要増に応えるため、植物工場の「大型化」「自働化」に向け、同社初の植物工場の建設を決定した。

業界トップクラスの栽培ノウハウと販売実績を有する㈱木田屋商店(千葉県浦安市)の支援を受け、同社の栽培技術とこれまでアグリビジネスで培った自動化技術・知見を生かした、新しい栽培方式による次世代モデル工場を目指すとしている。

同次世代工場はアグリビジネスの研究・開発拠点としての機能も担っており、自ら植物工場運営、栽培(営農)をすることで、「栽培ノウハウ」「生きた現場ニーズ」「マーケットニーズ」を的確に把握し、6次産業化を見据えた周辺事業(新商品・品種拡大など)への拡大につなげる計画としている。

●工場概要
建設予定地:福井県三方郡美浜町(若狭美浜インター産業団地)
敷地面積:約8,500㎡
投資額:約28億円
事業開始:2023年11月着工、2025年5月事業開始(予定)
従業員数:35名(フル稼働時の予定人数)
生産品目:レタス類
生産計画:約2.2トン/日(福井県内では最大規模)

2月14日、同社の木村隆利代表取締役 兼 COO(左)が、杉本達治福井県知事を表敬し、植物工場新設の報告を行った。