島津製作所は8月10日より、下水とヒトの2階建てPCR検査システム「京都モデル」に関する特許の新型コロナウイルス検査用途での実施権の無償提供について個人または法人からの申し込みを受け付けを開始した。
これは同社が2020年5月から参画する「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」の趣旨にのっとり、「京都モデル」を社会実装して新型コロナウイルス感染者のクラスター発生抑止に貢献する目的で行うもの。
「京都モデル」は感染後、症状の有無に関わらず発症前から糞便にウイルスが排泄される性質を利用した検査システム。高齢者施設・病院等のクラスター発生リスクが高い個別施設で、トイレ排水を含む下水を検査し、ウイルスが検知された際は施設利用者に対してヒトPCR検査を実施する。感染者の早期隔離が可能となるほか、感染収束の見極めにも有効と考えられている。島津製作所の子会社である島津テクノリサーチが開発し、これまで京都市を中心に10以上の個別施設で感染状況のモニタリングに有効であることを確認してきた。島津製作所および島津テクノリサーチは2022年2月にビジネスモデル特許等を取得している。
島津グループは新型コロナウイルス検出試薬キットやクリニック向け全自動PCR検査装置の開発・販売、教育機関へのPCR検査センターの設立支援等を通じて新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組んできた。2022年2月には塩野義製薬との合弁会社「株式会社 AdvanSentinel」を設立し、「京都モデル」を活用して下水モニタリングを通じた公衆衛生上のリスクマネジメントの取り組みを進めている。
●「京都モデル」に関する特許無償開放の概要
特許実施権の無償提供を受けるには、特許実施許諾申込書の提出が必要となる。
対象特許：特許第7031957号（感染症検査方法。ビジネスモデル特許）、特願2022-024052（検査方法及び試料採集キット。特許査定済）等
※具体的な特許の内容や実施用途ならびに商標使用等は下記フォームから問い合わせが必要となる。なお、島津製作所および島津テクノリサーチの保有する商標「京都モデル」は無償提供の対象外。
無償提供を行う権利の範囲：新型コロナウイルスPCR検査用途での対象特許の実施権
無償提供期間：世界保健機関（WHO）が新型コロナウイルス感染症まん延終結宣言を行う日まで
特許実施許諾申込書の入手、対象特許の内容や実施用途並びに商標使用に関する問い合わせ希望の場合、下記のフォームより所定の事項を記入して申し込みが必要となる。
●問い合わせフォームURL
https://solutions.shimadzu.co.jp/form/press/kyotomodel/contact.html
●「京都モデル」関連ページ
https://www.shimadzu-techno.co.jp/news/news210513.html
●「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」に参画
https://www.shimadzu.co.jp/news/press/yzwo-u55l-k_jbir.html
