三井化学㈱と三井倉庫ホールディングス㈱（三井倉庫HD）は6月15日、三井化学の自社製品の過去3年分の国際輸送により発生したCO2排出量の計算を共同で実施したと発表した。
今回の算定により、三井化学は原材料、生産、製品出荷に至るほぼすべてのCO2排出量の計算・開示を行うことが可能となる。特に製品出荷部分は、国際的な第三者機関の妥当性評価も得た精度の高い算出法となる。
両社は、今後も三井倉庫HDが提供する物流デジタルプラットフォームを通じたリアルタイムなCO2排出量の可視化についても、協業を進めていく。
●今回の計算方法の画期的な点
（1）グローバル全域で海上・航空のみならず鉄道やトレーラ等、複数の輸送モードを用いた複合一貫輸送を対象としている点。
（2）同一の輸送モードを使用しても、地域ごとに異なるCO2の排出量係数の差等も考慮して精度の高い算定を可能とした点。
（3）三井倉庫HD提供の本計算方法が、国際的な第三者機関であるDNV社（※1）の妥当性評価も得ている点。
●三井倉庫HDのCO2排出量算定サービス
今回のCO2排出量の計算は、三井倉庫HDが提供する物流のサステナビリティ支援サービスである「SustainaLink（サステナリンク）」の提供メニューの1つである国際輸送CO2排出量算定サービスを活用し、輸送モード・製品・輸送区間等ごとに、三井化学の保有する数万件に及ぶデータの分析を行った。当該排出量計算式は国際輸送も包括する算定方法（GLEC framework に適合）に基づいたもので、日本で初めて2022年4月に第三者機関であるDNV社による妥当性評価を受けた。
●三井化学のカーボンニュートラルへの取り組み
三井化学は2020年11月に2050年カーボンニュートラル宣言を発表した。生産分野における環境への配慮に加え、輸送実績・CO2排出量の見える化を通じて、製品輸配送における環境への負荷低減に向けた取り組みを今後も進めていく。
●両社コメント
・三井化学 常務執行役員 CDO 三瓶雅夫氏
「三井化学は、本年4月、新たにDX推進本部を設置し、その傘下に購買部、物流部等をおき、サプライチェーンも含めた全社のDXを加速しています。この度、三井倉庫HD様が提供される、日本国内では初めて第三者妥当性評価を受けた国際輸送CO2排出量算定サービスを活用して、三井化学の国際輸送におけるCO2排出量の算定が実現できましたこと、光栄に存じます。三井化学は今後、DXを活用したCO2排出量のリアルタイム可視化や、製品輸配送における環境負荷の低減を進めていくことで、持続可能な社会を実現して参ります。」
・三井倉庫ホールディングス 上級執行役員 戦略営業・事業開発管掌 桐山智明氏
「三井倉庫HDは、日本を代表する総合化学メーカーであり、環境負荷の低減に向けた取り組みを多角的に推進している三井化学様とともに本取り組みを実施できることを誇りに思います。当社は三井化学様をはじめ、お客様のサプライチェーンにおける環境負荷低減に資する取り組みへの支援を活発化させ、持続可能な社会の実現に向けた具体的な物流ソリューションを提案してまいります。」
※1：DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン㈱
https://www.dnv.jp/
