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JPR、レンタルパレット業界初のグリーンローン

2021/07/30

農林中央金庫と日本パレットレンタル(株)(JPR)は7月30日、レンタルパレット業界で初のグリーンローンによる金銭消費貸借契約を締結した。

JPRは同ローンにより調達した資金をレンタルパレットの購入に充て、環境負荷軽減ニーズの高まり等を背景としたレンタルパレット需要の拡大に対応する。

JPRはレンタル方式によりパレットの共同利用を可能にすることで、サプライチェーン上の多様な企業をつなぐ一貫輸送を実現。現在、同社で約1,100万枚のパレットを運用し、年間では延べ約4,800万枚を利用企業へ供給している。

JPRの事業はパレットのみならず、空パレットの共同回収網や、パレットを繰返し利用するために必要な補修整備機能も利用企業間でシェアリングできることがサービスの特徴。シェアリングによって、個々の企業が自社でパレットを所有・運用する場合と比較して、全体で必要となるパレット数量が低減され、循環型社会の構築に貢献している。加えて、レンタルパレット利用を通じた輸送効率向上により、全体で78%のCO2削減が可能となる。同グリーンローンはこれらの環境改善効果が評価されたもの。

これに加えて、JPRは国立研究開発法人新エネルギー・ 産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業により、保有する物流データを活用し、AI技術で企業の定期便同士をマッチングさせるサービスを開発する等、物流効率化および環境改善に向けた取り組みを多岐にわたり展開している。農林中央金庫は2019年度よりサステナブル経営をスタートさせるなか、2021年4月にグリーンローン原則等に準拠した資金使途限定のESGローン商品を創設し、本件ローンがその第1号案件となる。JPRのクリーン輸送に資する事業が、環境負荷の低減、循環型社会構築に貢献するものと評価し、JPRのパレット購入資金をグリーンローンで対応する。

今回、JPRはグリーンローン原則に準拠したフレームワークを作成し、(株)日本格付研究所の「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」で「Green1(F)」の最高評価を取得。また、環境省の「適応プロジェクト等のグリーンプロジェクトの活性化に向けたグリーンボンド・グリーンローン等の発行促進体制整備支援事業」にも採択されている。

●グリーンローンフレームワークの内容
(1)資金使途
 ・全額パレット購入資金に充当。

(2)調達資金の管理
 ・借入後、所定の期間内にパレットの支払に充当される予定であり、充当までの間は現金または現金同等物で管理。

(3)レポーティング
 ・調達資金は借入後、所定の期間内に全額を充当予定であることを開示。
 ・充当状況および環境改善効果として当社が定めた内容について同社ウェブサイト上で年次開示。
 ・環境改善効果として、個社でパレット購入した場合と比較した資源の有効利用、CO2削減量のインパクトレポーティング実施。

●本件ローン概要
実行日:2021年7月30日
融資期間:6年
金額:4億円

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