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物流連、次期会長は商船三井の池田潤一郎会長に

2021/06/01

(一社)日本物流団体連合会は6月1日、次期会長に(株)商船三井の代表取締役会長で、6月25日付けで(一社)日本船主協会会長に就任予定の池田潤一郎(いけだじゅんいちろう)氏が就任すると発表した。

6月29日に開催予定の令和3年度定時総会終了時に就任する予定。

●会長交代に関する渡邉健二現会長談話
令和元年6月に当連合会の会長に就任し、間もなく2年が経過しようとしておりますが、そのうち約1年半はコロナ禍での活動でした。一時は会議さえ難しい時期もあり、若い世代から物流を等身大で見てもらう活動も対面では中止や縮小を余儀なくされましたが、webを活用することで、大学寄附講座、会員と合同でのインターンシップや業界研究セミナー等も結果として参加者は大幅増となる等、新たな活動形態も定着しつつあります。

外国人材の就労に関し、国や各団体等と協議の場を作ったこと、また多発する自然災害の被災地でのヒアリングでBCP作成の手引きを刷新する等、膝を交えて話すことが団体運営の基本と考えてはいるものの、対面とリモートの併用で、ウィズコロナの時代の活動も少し見えてきた感もあります。間もなく新しい総合物流施策大綱が決定されると思われますが、策定の過程で議論の中心となったのが物流のデジタル化とDXの推進であり、その前提となる物流標準化をどう進めるか、というものでした。

コロナで社会全体が物流の重要性を再認識した今こそ、官民で業界を超えた連携を構築し、これを進めるチャンスであり、池田新体制にこれらを託したいと思っております。種々のご支援に感謝すると共に、今後益々の協力をお願い申し上げます。

●会長就任に関する池田潤一郎新会長談話
物流連第11代目の会長に就任することになりました商船三井の池田潤一郎です。渡邉会長の後任として、これまでの物流連の活動を引き継ぎ、物流事業の根幹をなす安全重視への意識を持って、コロナ禍に伴う社会や物流を取り巻く環境変化を踏まえつつ、諸問題に取り組んでいきたいと考えております。

以下いくつか所信を申し述べます。
1点目は、歴代会長が一貫して取り組んでこられた「物流を等身大で見ていただく」取り組みについてです。これまで積み上げてきたノウハウや経験を基に、特に若い世代に向けて、物流業が生活・産業の血流として重要な役割を果たしていることや、魅力あるやりがいのある産業であること等を、あらゆる機会をとらえて発信してまいります。

2点目は、「社会インフラとしての物流機能の強化」を図るということです。物流業界は、トラックドライバーや船員等の労働力不足問題の深刻化をはじめ多くの課題を抱えています。新技術の活用、物流標準化や物流 DX、担い手確保・働き方改革等の動きを促進するような活動を充実させ、効率的で持続可能な物流体系の実現に繋げていきたいと考えています。

3点目は、「物流分野の環境対策」の取り組みに注力したいということです。物流環境大賞やモーダルシフト優良事業者表彰等を継続して、モーダルシフト等物流分野のグリーン化の取り組みの促進を図り、SDGsや脱炭素化の要請等を踏まえて活動を充実させていきたいと考えています。

4点目は、「物流事業者の海外展開の支援」についてです。多くの物流事業者が海外での活動を拡大しているなかで、各国における事業遂行の円滑化やコロナ禍など有事の際のサプライチェーンの強靭化が共通課題となっています。アジア各国に係る調査活動や国土交通省との連携を踏まえた政策提言などを続けていきます。

上記のような取り組みを行うためには、会員企業・団体など物流業界はもとより、様々な荷主業界と連携し、国等関係先の方々との協力体制をとりながら進めていく必要があります。皆様方の絶大なる支援と協力をお願いし、挨拶とさせていただきます。

●渡邉健二物流連会長(上)、次期会長に就任予定の池田潤一郎(株)商船三井代表取締役会長 兼(一社)日本船主協会会長(就任予定)

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